米国BDC(ビジネス・ディベロップメント・カンパニー)の動向
BDCを取り巻く環境は良好【デイリー】
2017年12月13日
【ポイント1】中小企業を金融面から支援
高利回りが特徴
■ビジネス・ディベロップメント・カンパニー(Business Development Company、略称BDC)は、中小企業が展開する事業に対して、金融面、経営面から支援を行う投資会社のことです。BDCは銀行に代わって、中小企業に融資を行ったり、株式に投資することで、高い値上り益や配当を獲得しています。事業から得られた利益の多くを配当として投資家に分配するため、配当利回りが高いことが特徴です。
【ポイント2】足元の株価は軟調
中期的には良好なパフォーマンス
■BDCの代表的な指数であるウェルズファーゴBDC指数の2015年末から直近12月12日までの上昇率は+25.6%となり、米国の代表的な銘柄からなるS&P500種指数の+35.8%を下回りました(ともにトータル・リターン指数、トータル・リターンは価格の騰落だけではなく、配当も加味した総合的な収益)。
■17年4月までは、S&P500種指数の上昇率を大きく上回っていましたが、5月に公表された決算で、一部のBDCが市場の予想を下回る利益となったこと等から、軟調な推移となりました。

【今後の展開】BDCを取り巻く環境は良好
■全米自営業者連盟が作成・公表している中小企業楽観指数が、昨年後半から大きく上昇しています。特に、「売上高見通し」や「事業拡張計画」といった、将来の見通しに関わる指標の上昇が目立っています。中小企業の経営姿勢がより前向きになっていること、従って資金需要も旺盛なことを示唆するものです。
■金融緩和の解除も緩やかな速度で行われると予想されます。BDCを取り巻く環境そのものに大きな変化はなく、今後はBDCの高い配当利回り(12月12日時点で9.82%)等が、見直されると考えられます。
