規制緩和期待で上昇する米『中小企業楽観指数』【キーワード】

2017年8月14日

<今日のキーワード>
米国の中小企業庁(SBA)は、従業員が500人に満たない企業を中小企業と呼んでいます。その数は全米でおよそ2,880万社、全米企業の99.9%を占め、民間部門の労働者の48.0%を雇用しています。これら中小企業を構成員とする団体のうち最大のものが、1943年に設立された全米独立企業連盟(NFIB)です。NFIBは中小企業の景況感を示す『中小企業楽観指数』を公表しています。

【ポイント1】堅調に推移する『中小企業楽観指数』

将来見通しの改善が目立つ

■NFIB『中小企業楽観指数』は、2016年9月の94.1を直近の底に、17年1月の105.9へと急上昇しました。その後も、概ね103~106のレンジで堅調に推移しています。

■指数の構成要素を見ると、「景気見通し」(2016年9月の0%→17年7月の+37%)、「売上高見通し」(同じく+4%→+22%)、「事業拡張計画」(同+7%→+23%)といった、将来の見通しにかかわる指標の上昇が目立っています。

【ポイント2】新大統領への期待も寄与

良質な労働者の確保が課題

■現在抱えている問題については、「売上高の伸び悩み」(16年9月の+13%→17年7月の+8%)や「政府規制」( 16 年10 月の+ 21 % → 同+16%)の回答比率が低下しました。規制緩和を掲げるトランプ大統領への期待感が、中小企業の景況感改善にも貢献したと考えられます。

■一方、「労働者の質」が問題との回答比率が、16年12月の+12%から17年7月の+19%に上昇しました。失業率の持続的な低下が示す通り労働需給は逼迫の度合いを強めており、良質な人材の確保が課題として浮上してきているもようです。

【今後の展開】規制緩和が進めば、中小企業にも好影響が期待される

■米国では景気拡大、物価の低位安定が続くと予想されます。金融緩和は解除される方向にありますが、米連邦準備制度理事会(FRB)は緩やかな速度で進めると予想されることから、景気や中小企業への影響は大きくないと考えられます。

■トランプ大統領は、金融規制改革法の見直し、化石燃料(石炭や石油、天然ガスなど)の採掘規制緩和等を提唱しています。現時点ではどこまで実現するか不明ですが、実現すれば中小企業には好影響を及ぼすと見られます。

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