水素は、利活用のプロセスでCO2を排出しないため、電化が困難な分野でのカーボンニュートラル実現に向けたエネルギーとして世界的に注目されています。海外では、数多くの国が国家的な水素戦略や政策を公表しており、水素供給有望国では多くの水素製造プロジェクトが計画され、グローバルで長期的な成長が見込まれることから資金ニーズが高まっています。

日本でも、2020年12月に水素社会構築を加速させるための横断的な団体としてJH2Aの活動が開始されました。政策面では2024年5月に水素社会推進法が成立し、水素社会実現に向けて供給と利用を早期に進めるための支援措置が講じられており、水素分野への資金ニーズが一層増加することが想定されます。

また、2024年6月には、経済産業省(METI)がインド太平洋経済枠組み(IPEF)域内の水素サプライチェーン構築を目指すため、本ファンド内にIPEFウィンドウを設置し、民間セクターへの投資促進など、METIからも公式なサポートが得られることが発表されました。

私たちは本ファンドの無限責任を負うゼネラルパートナー(GP)に対して有限責任を持つリミテッドパートナー(LP)出資を行うとともに、ミドルバック業務およびサステナブル投資・日本裨益性評価の提供を担います。さらに、ソーシングや投資検討、バリューアップ活動等のフロント業務を担うAP、会員企業との協業促進や最新のマーケット情報共有、国内外への情報発信協力等を担うJH2Aの三者が協力し、ファンド事業を推進していきます。

本ファンド運営にあたり、ミドルバック業務は、帳簿管理、取引処理、投資家からの問い合わせ対応等を行います。サステナブル投資・日本裨益性評価は、オルタナティブ運用部と責任投資推進室が協働し、本ファンド独自の基準で評価を行い、サステナブル投資評価では投資家への開示対応を行う等、伝統的資産の運用で蓄積してきた当社のノウハウを活用します。日本裨益性評価は、「現在または将来、直接的または間接的に日本への利益の還流が想定されること」と定義し、海外企業への投資においても、日本の水素社会実現に貢献が期待される点を評価、モニタリングしていきます。

私たちは本ファンド設立・運営への参画を通じて、水素バリューチェーンにおける「製造」「貯蔵」「輸送・供給」「利用」等の領域へ必要な資金供給を行うことで、日本における水素社会の実現とカーボンニュートラルの達成に貢献したいと考えています。

水素バリューチェーン

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