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MLP市場の最近の動向と今後の見通し  利回りの高さがMLP市場を支える見込み【デイリー】

2014年10月16日

【ポイント1】高値からの下落は▲12%

年初来騰落率はプラスを維持
■最近のMLP※市場(アレリアンMLPトータルリターン指数)は大きく下落しました。今年の最高値から15日までの下落率は▲12%と、S&P500株価指数などと比べ下落幅が大きくなっています。

■ただし、原油価格の下落の影響がより大きいS&P500エネルギー指数の同▲19%に比べて下落は小幅にとどまっており、年初来では+7%とプラスを維持しています。

■MLPは、長期契約に基づくエネルギー輸送事業など、収益が比較的安定的な事業が多く、このことがMLP市場の下落を限定的にしている要因のひとつと思われます。

※MLPとは、Master Limited Partnershipの略称で、米国で行われる共同事業形態のひとつです。エネルギー・資源関連が多くを占めます。株式と同様、米国の金融取引所などで取引されています。

【ポイント2】世界経済の減速懸念が背景

原油価格の下落も影響
■IMFが世界の成長率見通しを下方修正し、また米国金融当局も世界経済の減速懸念を示すなど、世界的に景気が下振れするリスクが意識されています。これらを背景に主要株式市場が下落し、MLP市場も下落しました。

■こうしたなか、世界の原油需要の減速観測などから原油価格が下落し、エネルギー株や一部のMLPの下落要因となりました。

【今後の展開】低金利環境の長期化観測もあり、利回りの高さがMLP市場を下支え

■米国の企業景況感や雇用などから景気は今後も拡大基調を維持すると見られます。原油価格の生産者の採算ラインは70米ドル前後と言われ(15日の先物価格は約82米ドル)、その水準に近づくと生産調整の観測が強まります。世界経済の緩やかな回復もあり、原油価格のこれ以上の下落は限定的とみられます。

■MLPは長期契約に基づく安定的な事業が中心であり、今後も安定的な配当が見込まれます。MLP市場の下落により利回りが上昇しており、国債と比較した利回りの高さが拡大しています。短期的には株式市場の動向などにより不安定な展開も想定されますが、安定的な事業を背景とした利回りの高さがMLP市場を支える見込みです。

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