ホームマーケット日々のマーケットレポート最近の指標から見るブラジル経済(2015年2月)  財政再建・物価抑制の効果に期待【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

最近の指標から見るブラジル経済(2015年2月)  財政再建・物価抑制の効果に期待【デイリー】

2015年2月20日

【ポイント1】生産は低迷、消費は伸び悩み

利上げや外需の弱さが影響
■2014年12月の鉱工業生産指数は前年同月比▲2.7%と、同年3月以降10カ月連続のマイナスになりました。また、同月の小売売上高は前年同月比+0.3%と、前月の同+1.4%から低下しました。利上げや外需の弱さから生産は低迷が続いており、消費は伸び悩んでいます。

■2015年1月の輸出は前年同月比▲14.5%と、8月以降6カ月連続のマイナスになりました。全体の約10%を占める中国向けが同▲38.2%と大きく落ち込むなど、外需は全般に弱い状況です。

【ポイント2】物価高が当面続く見込み

電力料金引き上げやレアル安が背景
■2015年1月の消費者物価指数は、前年同月比+7.14%と、前月の同+6.41%から上昇し、ブラジル中央銀行(以下、中銀)の物価目標(年+2.5%~+6.5%)の上限を大きく超えました。干ばつの影響と見られる食品の値上がりや、電力や公共交通の料金引き上げが主な要因です。

■政府は、財政再建のために電力会社への補助金を削減し、料金値上げを認める方向にあり、今後も物価全体が押し上げられると見られます。レアル安の影響も見込まれ物価高が続きそうです。

【今後の展開】物価抑制や財政再建により、中長期的な成長見通しは改善へ

■物価の高止まりが当面続くと見られ、中銀は次回会合(3月3日~4日)以降も現在12.25%の政策金利をさらに引き上げると見込まれます。

■1月に就任したレビ財務相は財政再建に向け、増税の方針を打ち出しています。中銀・政府の政策は、景気に対して当面抑制的と見られます。

■足元では、降雨量の不足から水力発電(総電力の約7割を供給)量が落ち込み、経済活動を抑える懸念が生じています。

■難しい情勢が続くものの、政府・中銀による財政再建や物価抑制の効果が期待され、中長期的な成長見通しは改善に向かうと思われます。

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