ホームマーケット日々のマーケットレポートブラジルレアルの足元の動向と今後の見通し  政策効果を期待する堅調な推移へ【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

ブラジルレアルの足元の動向と今後の見通し  政策効果を期待する堅調な推移へ【デイリー】

2015年2月3日

【ポイント1】1週間で約6%のレアル安

1月の上昇を打ち消し
■ブラジルレアルは、足元で下落傾向にあり、2月2日時点で1月26日に対して対円で▲6.0%、対米ドルで同▲5.6%となりました。

■レアルは、1月21日にブラジル中央銀行(以下、中銀)が政策金利を0.50%引き上げ12.25%としたことを受け、対米ドル、対円で上昇していましたが、足元では利上げ前の水準以下に下落しています。

【ポイント2】レアル買い介入に不透明感

石油公社や電力供給への懸念も影響
■1月30日、レビ財務相が「人為的に通貨を強く維持する意図はない」と発言し、足元のレアル安の一因になりました。中銀は3月を期限としてレアル買いの為替介入を連日実施していますが、景気の低迷に配慮し、期限到来をもって打ち切るとの観測が広がりました。

■その他、大手格付け会社によるブラジル石油公社(ペトロブラス)の格下げや、干ばつによる水力発電への懸念もレアル安につながっています。ブラジルでは電力の70%近くを水力発電でまかなっており、取水や配電が制限された場合に景気下押しにつながる可能性があります。

【今後の展開】政府・中銀の政策効果への期待からレアルは中長期的に底堅い推移へ

■ルセフ大統領は、物価抑制が経済政策の最重要課題としています。財務相から為替介入に消極的ともとれる発言があったことから、物価抑制では金融政策に重点が置かれると見られます。今後もレアル安抑制のための利上げが見込まれます。

■また、政府は1月に増税を含む財政再建策を発表しました。政府・中銀による景気下支えが期待しづらく、景気の先行き不透明感は当面レアルの不安定要因となりそうです。

■ただし、物価高是正や財政健全化は、経済成長見通しの改善期待につながります。高金利も背景に、レアルは中長期的に底堅いと思われます。

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