ホームマーケット日々のマーケットレポートロシア株式市場、通貨の動向と今後の見通し  原油安が経済、財政への不安を増長、原油の動向がカギ【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

ロシア株式市場、通貨の動向と今後の見通し  原油安が経済、財政への不安を増長、原油の動向がカギ【デイリー】

2014年12月17日

【ポイント1】経済制裁と原油安が背景

大幅な利上げによる防衛も不発
■ロシア経済は、ウクライナ問題を巡る欧米諸国の経済制裁により状況が悪化しています。また、原油や天然ガスの輸出への依存が大きく、原油安の影響を大きく受けています。そうしたなか、エネルギーセクターが大半を占める株式市場とロシアルーブルは足元で大幅に下落しています。

■ロシア銀行(中央銀行、以下中銀)は、ルーブルの急落とそれによるインフレリスクへの対応として、11日と16日に政策金利を合計7.5%引き上げ、17.0%としました。この措置を受けルーブルは対米ドルで一旦上昇したものの、ルーブル安に歯止めはかかっていません。

【ポイント2】経常収支、財政収支さらに悪化

原油先安感が払しょくされず
■ロシアにとって原油と天然ガスの輸出は、主要な外貨獲得手段であると同時に政府歳入の多くを占めます。原油の先安観が払しょくされない状況では、経常収支と財政収支が悪化する見通しが強まります。

■石油輸出国機構(OPEC)や国際エネルギー機関(IEA)は最近相次いで今後の原油需要見通しを下方修正しました。需給が緩和する見通しが強まるなか、主要な産油国では減産の姿勢がうかがわれません。原油の先安観が強まり「ロシア売り」が加速しています。

【今後の展開】欧米との関係修復には時間を要する見込み、原油が市場安定のカギ

■ロシア経済が停滞する一因は、欧米諸国による経済制裁です。欧米諸国との関係修復には時間を要するとみられることから、経済の状況改善は早期には見込めない情勢です。

■これまで継続されてきた利上げの影響や、原油安によるエネルギー分野での投資の減少、企業の外貨建て債務返済負担の増大などから、2015年の経済成長率はマイナスに陥る可能性が高まっています。株式、為替市場は、引き続き、原油価格の動向に神経質な展開が想定されます。

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