持ち直したASEANとインドの製造業PMI
株式市場の上昇を期待【デイリー】
2017年2月8日
【ポイント1】ASEANのPMIが50回復

4カ月ぶりの50回復
■1月の東南アジア諸国連合(ASEAN)製造業PMI(購買担当者景気指数)は50.0と、前月の49.4から改善し、景気判断の節目となる50を4カ月ぶりに回復しました。
■国別ではフィリピンやベトナムが比較的高水準を維持したほか、インドネシアが4カ月ぶりに50を回復しました。タイはプミポン前国王の死去に伴う混乱が収まり、2カ月連続で50を上回りました。
【ポイント2】インドのPMIも50回復

高額紙幣廃止の影響が弱まる
■インドの製造業PMIは、12月に49.6と、1年ぶりに50を割り込みましたが、1月は50.4と、50を回復しました。モディ政権による高額紙幣の廃止と新札への交換に伴う混乱により、生産や雇用が低迷したことで、12月はPMIが急落しましたが、早くも持ち直しの動きが見られました。
■高額紙幣廃止に伴うインド経済の混乱は徐々に収まり、年度末の3月には収束に向かうと思われます。
【今後の展開】ASEANやインドの株式市場の上昇を期待
■1月の製造業PMIは、中華圏の「春節」休暇の影響から悪化しやすい傾向があるにもかかわらず、多くのアジア地域で堅調な動きとなりました。アジア地域の製造業は回復基調と考えられます。マレーシアの製造業PMIは依然50を下回っていますが、今後の財政拡大が期待できるため、持ち直す方向と見られます。
■アジア株式市場は、今年に入り、中国経済の安定やアジアからの資金流出懸念の後退を背景に上昇しました。相対的に経済が好調なASEANやインドの株式市場は、今後も堅調な推移が期待されます。