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2014年を振り返るキーワード  「原油価格」の下落 (グローバル)【キーワード】

2014年12月19日

<今日のキーワード>
「原油価格」は、ガソリンや灯油などの石油製品価格に影響します。また、輸送費や原材料費など、社会の幅広い分野に影響を及ぼすため、景気を見る上での重要な指標の一つです。主な油種としては、北米のWTI(West Texas Intermediate)、欧州のブレント、中東のドバイなどがあります。

【ポイント1】「原油価格」は10月ごろから急落

世界景気の不透明感、シェールガス/オイルの生産拡大などが背景
■「原油価格」(WTI先物価格)は、今年年初から7月ごろまでは概ね1バレル100米ドル前後で安定的に推移していました。その後上値の重い展開となり、10月ごろから下落ペースが加速、12月には一時1バレル50米ドル台前半をつける局面もありました。

■「原油価格」の下落には、需要面と供給面の両方の要因が影響しました。需要面では、世界景気の先行き不透明感が需要見込みの低下につながりました。供給面では、シェールガス/オイル(非在来型のガス/原油)の生産が拡大するなか、主要産油国で原油の減産が見送られ、供給量が減らない見込みが強まりました。

【ポイント2】リスク回避で株安、新興国通貨安

通貨安抑制策を受け、市場は徐々に落ち着き
■「原油価格」の急落により、ロシアなどの原油輸出国で輸出額の減少、財政収支の悪化などへの懸念が強まり、債券、株式、通貨が下落しました。

■こうした一部産油国の経済の混乱が欧州など関係の深い国々へ波及する懸念が強まり、世界的に株安、新興国安が進みました。

■足元では、「原油価格」が下げ止まりの兆候を見せ、多くの新興国で利上げや自国通貨買いの為替介入が実施されたことなどから、市場は徐々に落ち着きを取り戻しつつあります。

【今後の展開】「原油価格」の下落による、家計や企業へのプラス面に注目

■市場の落ち着きとともに、プラス面にも注目
市場の落ち着きとともに、「原油価格」下落のプラス面に注目が集まりそうです。特に、日本をはじめ、タイ、インド、トルコ、中国などの原油輸入国では、輸入額減少による経常収支の改善や経済成長率の押し上げといった効果が期待されます。

■消費の下支えや企業のコスト低下につながる
また、「原油価格」の下落は、ガソリン価格の下落などで家計に余裕を生じさせ、消費を下支えする効果もあります。企業のコスト低下につながることもあり、景気や株式市場に弾みをつける要因になると思われます。

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