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量的金融緩和(QE)(グローバル)【キーワード】

2014年10月29日

<今日のキーワード>
各国の中央銀行は、政策金利を上げ下げし、市中の金利水準などを調節しています。リーマン・ショック以降の世界的な景気後退では、主要先進国は政策金利を引き下げ(利下げ)、政策金利はゼロに近い水準となりました(ゼロ金利政策)。また、利下げだけではなく、大量に市中の資金量を増やす「量的金融緩和」政策(Quantitative Easing、QE)を行っています。

【ポイント1】米国ではQEを断続的に実施

2014年1月からはQEの減額をスタート
■米国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)はサブプライムローン問題が表面化してきた2007年以降利下げを行い、政策金利を2007年央の5.25%から、2008年12月には0~0.25%としました。これに加えてFRBはQEを実施し、2008年11月から2010年6月まで米国債や住宅ローン担保証券などを購入することで市中に大量の資金を供給しました(QE1)。その後も2010年11月から2011年6月にQE2を実施し、現在は2012年9月からQE3が実施されています。そして今年1月からは、資産購入額を月額850億米ドルから、連邦公開市場委員会(FOMC)のたびに減額を進めています。

【ポイント2】日本では「異次元の金融緩和」

欧州は資産購入の額や対象が拡大する見込み
■日本では長らく続くデフレに対し、日銀が2001年3月に量的緩和を導入しました。2006年3月にいったん終了したものの、2008年12月以降再び国債などの資産購入を開始しました。現政権発足後の2013年4月からは黒田総裁による新体制下の日銀が「異次元の金融緩和」を進めており、購入国債の年限長期化やETF・REITなどリスク性資産の購入規模拡大など従来の量的緩和を強化しました。

■また欧州では、足元までの景気減速を反映し、2014年9月に欧州中央銀行が資産担保証券(ABS)やカバードボンドなどの資産購入を決定し、QEを開始するとしました。今後は住宅ローン担保証券(RMBS)や国債へ資産購入を拡大する可能性もあります。

【今後の展開】主要国の金融政策は異なる方向へ、更なる米ドル高となるか?

■米国のQEは終了へ
米国では10月28-29日のFOMCでQEの終了を決定すると見込まれています。欧州を中心とした世界経済の減速が米国経済の減速に影響することが懸念されていますが、引き続き緩やかな景気拡大は続くと見込まれています。このため、QE終了後は来年後半以降の利上げが見込まれており、金融政策は正常化へ向かう見込みです。

■追加金融緩和期待の日欧、為替はドル高?
欧州経済は低迷しており、当面はQEの拡大も含めて金融緩和状態が続きそうです。また、日本では景気回復がもたつくなか、追加金融緩和への期待もあります。QEを終了し利上げが視野に入る米国と、QEの拡大が見込まれる日欧との間では、金利差が拡大することなどから、米ドル高が進みやすい環境と思われます。

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