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新型コロナ感染拡大で注目が高まる『オンライン診療』

2020年4月2日

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新型コロナウイルスの感染が欧州や米国など世界各地に拡大しており、国内でも感染爆発が現実になる事態も想定し、医療の即応態勢を整える必要性が高まっています。こうした事態に対処するため、パソコンやスマートフォンのビデオ通話機能を使う『オンライン診療』に対する注目が高まってきました。厚生労働省は、新型コロナ対策の臨時措置として、『オンライン診療』の保険適用対象の拡大などに乗り出しました。

【ポイント1】新型コロナの感染拡大で『オンライン診療』の注目が高まる

■『オンライン診療』は2018年度に保険適用されました。ただ、対象疾患が生活習慣病などに限られ、『オンライン診療』を受ける前に同じ医師による6カ月以上(4月から3カ月以上に緩和)の対面診療が必要など要件が厳しいことなどから、これまで導入が広がってきませんでした。

■こうした中、新型コロナウイルスの感染が世界各地で急拡大し、国内でも感染爆発が現実になる事態を想定し、医師にアクセスしやすい環境をつくる重要性が高まっています。このためパソコンやスマートフォンのビデオ通話機能を使う『オンライン診療』の注目が高まっています。

【ポイント2】厚労省は『オンライン診療』の規制を緩和

■厚生労働省は3月19日、「臨時的・特例的な取り扱い」として、自宅療養する新型コロナウイルス感染症軽症者へのビデオ通話による『オンライン診療』の保険適用を特例的に認めると通知しました。薬も処方できます。医療機関を受診した患者が、別の患者から感染するリスクを減らす狙いがあります。『オンライン診療』はこれまで、生活習慣病など慢性疾患のみが対象でした。

■ただ、今回の特例措置でも、新型コロナウイルスへの感染の有無を最初に診断するのは対面診療で『オンライン診療』では初診には使えません。

【今後の展開】『オンライン診療』の導入加速による医療の効率化に期待

■加藤勝信厚生労働相は3月31日の経済財政諮問会議で、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、『オンライン診療』を初診から認める検討に入ると表明しました。感染の拡大に備え、『オンライン診療』を初診から認めることで患者や医療従事者の院内感染を減らす狙いなどがあります。今回の新型コロナウイルスの感染拡大を契機として、『オンライン診療』の規制緩和を一段と進め、医師と患者の双方が使いやすい仕組みに変わり、導入が加速して医療の効率化につながることが期待されます。

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