【Vol.212】わたしたちの年金積立金はどのように運用されているの?
2024年7月19日
長期的観点に基づいて複数の資産に投資することで、価格変動リスクを低減させて好リターンをめざす「分散投資」を基本として運用をされています。
◆日本の公的年金(厚生年金保険と国民年金)の運用はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が担っています。その運用資産額は約246兆円(2024年3月末現在)にのぼり、「世界最大級の年金基金」となっています。GPIFは、インフレやデフレをはじめとする様々な運用環境の下で、長期にわたり安全かつ効率的に年金積立金を運用するため、複数の資産を組み合わせて運用する「分散投資」を行っています。
◆GPIFでは基本となる資産構成割合(以下、「基本ポートフォリオ」)を定めています。かつては国内債券中心の運用となっていましたが、2014年の基本ポートフォリオ見直し時に、国内債券の比率を大幅に減らしました。さらに、2020年の基本ポートフォリオ見直しでは、国内金利の低下から国内債券の割合を減らした一方、相対的に金利が高い外国債券の割合を増やしました。これにより、債券と株式の比率は概ね50%ずつ、また国内資産と外国資産の比率も概ね50%ずつとなっています。
◆2023年度は、前年度末に発生した米欧の一部金融機関の経営破綻や米国国債金利の継続的な上昇により、リスク資産価格の大幅な上昇を予想することが難しい状況で始まったものの、国内株式、外国株式の収益率は40%超となりました。また、世界的な金利上昇のなか、円安が進んだことで、外国債券の収益額は過去最高となりました。このため、運用収益額は過去最高の45.4兆円、収益率は過去2番目の年率22.67%となりました。
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