【Vol.159】最新の世界のインフレ見通しはどうなっていますか?
2023年5月8日
IMFによると、物価上昇率は徐々に低下するものの、多くの国でインフレ目標に収まるには、2025年までかかるとみられています。
◆国際通貨基金(IMF)が2023年4月に公表した世界経済見通しによると、2022年に多くの国・地域で急上昇したインフレは、主要中央銀行によって大規模な金融引締めが続けられていることや、エネルギーや商品価格の下落等により、2023年は世界の76%の国々で前年よりも物価上昇率が低下するとみられています。
◆ただし、前回2022年10月の見通しから、先進国、新興・発展途上国ともに予想が引き上げられました。先進国では、2023年はユーロ圏で予想が引き下げられた一方、米国で1.0%、日本で1.3%引き上げられました。さらに、日本は2024年も1.1%引き上げられて+2.2%と予想されており、従来よりもインフレ傾向が続く見通しとなっています。
◆継続的に金融引締めが行われているにも関わらず、労働市場は非常にひっ迫し、経済活動も堅調であることから物価上昇圧力は根強いものとなっています。このため、72ヵ国・地域(34の先進国と38の新興・発展途上国)中、2023年では97%、2024年でも91%で物価がインフレ目標を上回る状態が続き、インフレ目標に収まるようになるには多くの国で2025年までかかるとみられています。
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