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自民党総裁選~直前のチェックポイント

2021年9月28日

●自民党総裁選の結果は明日午後2時20分頃、決選投票なら午後3時40分頃に判明の見通し。

●4候補ともコロナ対策は積極対応、経済政策では河野氏が賃上げ重視、岸田氏は再分配重視。

●ただ新総裁選出で与党の衆院選大敗回避は織り込み済み、株高継続には新規好材料が必要。

自民党総裁選の結果は明日午後2時20分頃、決選投票なら午後3時40分頃に判明の見通し

自民党総裁選は9月17日に告示され、河野太郎規制改革相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行の4人が立候補しました。新首相が選出されるまでの流れは図表1の通りで、本日9月28日に全国110万人余りの党員・党友による投票が締め切られ、明日9月29日に行われる党所属国会議員の投票と合わせて開票されます。新総裁決定後、臨時国会(10月4日召集見通し)の首相指名選挙で新首相が選出されます。


9月29日の開票は、午後1時から東京都内のホテルで行われ、午後2時20分頃に投票結果が発表される予定です。議員票382票と党員・党友票382票の合計は764票で、過半数の票を獲得する候補がいなければ、上位2人による決選投票に移ります。決選投票は、議員票382票と党員票47票の計429票で争うことになりますが、議員票の比重が約9割に高まります。なお、最終結果は午後3時40分頃判明する見通しです。

4候補ともコロナ対策は積極対応、経済政策では河野氏が賃上げ重視、岸田氏は再分配重視

直近では、党員・党友票で河野氏が優勢、議員票で岸田氏優勢という調査結果が報じられており、先行するこの両名に高市氏が迫る展開となっている模様です。そのため、1回目の投票ではいずれも過半数には届かず、上位2人による決選投票にもつれ込むのが確実な情勢との声が聞かれます。また、1回目の投票結果次第で、決選投票における議員の投票行動が変わる可能性もあり、結果が見通しにくい状況にあります。


4候補の主な政策は図表2の通りで、コロナ対策はそろって積極対応の姿勢が示されています。経済政策については、河野氏が賃上げ重視、岸田氏が格差是正のための再分配重視、高市氏が大胆な危機管理投資・成長投資などの推進、野田氏は子供への集中投資、という方針をそれぞれ掲げています。また、成長戦略や構造改革は、4候補とも重視する意向がうかがえます。

ただ新総裁選出で与党の衆院選大敗回避は織り込み済み、株高継続には新規好材料が必要

このように4候補の政策をみると、いずれも短期的にはコロナ対策に注力し、財政出動も容認されることが予想されます。また、日銀の金融緩和について、出口戦略を急ぐ姿勢は4候補にみられませんでした。そのため、総裁選の日本株への影響を考えた場合、誰が総裁になっても、目先は金融緩和と財政出動で景気を支援する政策が継続される見通しで、この点は日本株の追い風になると思われます。


ただ、株式市場は、自民党総裁選で新総裁が選出され、与党が衆院選で大きく議席を減らすことはない、というところまで織り込み済みで、政局好転期待の株価押し上げ効果は、すでに逓減しつつあると考えられます。目先、政局関連で、日本株が一段と上昇するには、衆院選での与党圧勝や、目玉となる経済対策の公表など、まだ織り込まれていない目新しい好材料が必要とみています。