ホームマーケット日々のマーケットレポート最近の指標から見る米国経済(2016年9月) 年内利上げの可能性を探る展開へ/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

最近の指標から見る米国経済(2016年9月)
年内利上げの可能性を探る展開へ 【デイリー】

2016年9月7日

【ポイント1】雇用の増勢は鈍化

景気の減速を懸念する水準ではない

■8月の非農業部門雇用者数は前月比15.1万人増と、市場予想(同18万人増、ブルームバーグ集計)を下回りました。もっとも、3カ月移動平均は23.2万人と20万人超の水準を維持しており、景気の減速を懸念する水準ではありません。

【ポイント2】ISM指数は低下

強めの個人消費を受けた反動減か

■景気の先行きを占う際に重視されるISM指数は、8月に製造業、非製造業ともに低下しました。製造業指数は49.4と6カ月ぶりの50割れとなり、非製造業指数は51.4と6年半ぶりの水準まで低下しました。非製造業指数では小売を中心とする流通業の悪化が目立ちました。4-6月期の個人消費は前期比年率で+4.2%と基調よりも強めで推移しており、8月になってその反動が生じた可能性があります。

【今後の展開】年内利上げの可能性を模索

■ISM指数の低下は、9月利上げの可能性を後退させたと考えられます。ただ、今回のISM指数が示すような景況感の悪化は一時的な下振れの可能性が高いと見られます。雇用所得や消費者センチメント、金融市場などが堅調に推移していることを踏まえると、景気が急速に変調をきたしたとは考えにくいためです。

■8月の雇用統計は、景気の減速を示唆するものではなかったことも踏まえると、米国経済は息の長い景気拡大が続いていると考えられます。引き続き年内利上げの可能性を探る展開が続く見通しです。

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