ホームマーケット日々のマーケットレポート米国の金融政策(2014年12月)  低金利を「相当な期間」継続、利上げ開始まで「忍耐強く」【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

米国の金融政策(2014年12月)  低金利を「相当な期間」継続、利上げ開始まで「忍耐強く」【デイリー】

2014年12月18日

【ポイント1】来年の利上げ開始へ一歩前進

「忍耐強く」は前回利上げ前にも使用
■FRBは12月16日~17日のFOMCで、現行の低金利政策の維持を決定しました。

■前回10月にQE終了を決めた直後の会合であり、市場の注目は、金融政策そのものではなく、利上げ開始時期を示唆する文言の修正に集まっていました。

■今回の声明文では、低金利政策を「相当な期間」維持するとの表現が残されたことに加え、新たに、利上げ開始まで「忍耐強く」待つ、との文言が追加されました。「忍耐強く」は2004年の利上げ開始前にも使われたことから、金利正常化へ向けたプロセスが一歩進んだと受け止めることができます。

【ポイント2】物価の予想を下方修正

成長率見通しに大きな変化無し
■今回は3か月に一度の経済見通しの改定も公表されました。2015年10-12月期のGDP成長率は、前回9月時点の予想(前年同期比+2.6%~3.0%)が据え置かれました。

■一方同じ時期の物価(PCE物価指数)は、9月時点の同+1.6%~1.9%から、同+1.0%~1.6%に大幅に下方修正されました。最近の原油価格の下落を受けたものと見られます。

■ただし、食品・エネルギーを除く物価(コア、同+1.5%~1.8%)は、小幅な下方修正にとどまり、また、FRBメンバーによる利上げ時期の予想にも大きな変化がなかったことから、市場での利上げ時期の予想にも大きな変化はうかがわれません。

【今後の展開】2015年半ば以降の利上げ開始見通しに大きな変化は無し

■イエレンFRB議長は会見で、「忍耐強く」とは、今後数回の会合において利上げが実施されることを意味しないとしました。早期の利上げ観測が強まることを警戒したものと見られます。

■雇用は着実に改善傾向にあり、また、物価はFRBの目標+2%に向けて緩やかながら進展が見られます。これらの進展がより確実となる来年半ば以降に利上げが開始されると予想されます。

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