ホームマーケット日々のマーケットレポート最近の指標から見る米国経済(2014年12月)  企業景況感、雇用環境ともに良好な水準が続く【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

最近の指標から見る米国経済(2014年12月)  企業景況感、雇用環境ともに良好な水準が続く【デイリー】

2014年12月11日

【ポイント1】企業景況感は引き続き高水準

新規受注指数は60ポイント超
■11月のISM景況感指数は、製造業が前月比▲0.3ポイントの58.7ポイント、非製造業が同+2.2ポイントの59.3ポイントと、引き続き高水準を維持しました。新規受注指数を見ると、製造業が66.0ポイント、非製造業が61.4ポイントとともに前月から上昇し、先行きの堅調さを示しています。

■7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率+3.9%と、速報値の同+3.5%から上方修正されました。個人消費が同+2.2%に上方修正されるなど、米国経済は底堅く推移しています。

【ポイント2】雇用環境の改善続く

雇用者数は2012年1月以来の増加
■11月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比32.1万人の増加となりました。市場予想(ブルームバーグ集計)の同23.0万人を上回り、9月、10月分は合計4.4万人上方修正されました。失業率は5.8%と前月と同水準でした。

■長期失業者(27週以上)やパートタイマーの割合が低下し、雇用の「質」の改善も進みました。また、平均賃金は前月比+0.4%と2013年6月以来の伸びとなり、賃金が上向く兆しも見られます。

【今後の展開】賃金、物価動向が点検されながら、2015年後半の利上げが見込まれる

■11月はISM景況感指数が高水準を維持し、雇用環境も「質」を伴って改善しました。雇用者数の高位での増勢が維持されていることから、今後も失業率は低下することが見込まれます。

■平均賃金の伸びを前年同月比で見ると、11月は+2.1%と足元まで低位で安定しているほか、10月の個人消費支出価格指数は同+1.4%とFRBの目標とする+2%を下回っています。物価上昇ペースは緩慢なままです。

■雇用統計の改善などから今月の16日から17日のFOMCでは、低金利政策を「相当期間」維持するとの文言の削除などが注目され、早期利上げ観測が強まっています。ただし、利上げについては緩慢な物価動向に加え、雇用関連指標などが幅広く点検され、物価や雇用の改善が伴うと見込まれる2015年後半の実施となりそうです。

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