ホームマーケット日々のマーケットレポート米国の債券市場の最近の動向(2014年10月)  世界経済の減速懸念から利回りは大幅低下【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

米国の債券市場の最近の動向(2014年10月)  世界経済の減速懸念から利回りは大幅低下【デイリー】

2014年10月21日

【ポイント1】米国債利回りは大幅低下

世界経済の減速懸念が主因
■9月中旬以降の米国の経済指標を見ると、全般的に市場予想を下回るものが多くなりました。また、米国のシリア空爆開始や香港でのデモ拡大などの地政学リスクの高まりもあり、米国債利回りは低下しました。

■10月以降、IMFが世界経済見通しを下方修正し、9月のFOMC議事録でも欧州等世界経済の減速懸念が米国経済のリスクと指摘されました。また、ドイツの主要経済研究所が同国経済の後退の可能性を指摘したうえ、同国政府がGDP成長予想を下方修正したことなどから世界経済の減速懸念が高まり、米国債利回りは低下しました。

【ポイント2】社債スプレッドは拡大

日米短期金利差は横ばい
■米国債利回りは大幅に低下しましたが、社債利回りの低下は国債ほどではなく、社債スプレッド(国債との利回り差)は拡大しました。

■短期金利の動きをロンドン銀行間取引金利(LIBOR)でみると、米国ではQE終了後も当面低金利政策が据え置かれる見込みであり、日本でも景気回復のもたつきにより金融緩和が長期化する見込みから、日米金利差はほぼ横ばいで推移しました。

【今後の展開】債券利回りは低金利政策維持により低位で推移後、緩やかな上昇へ

■米国の9月のISM景況感指数は製造業、非製造業ともに前月より低下しましたが高水準を維持しています。ただし、世界経済の減速が米国経済の減速に影響することが懸念されます。

■債券市場では、利上げ予想時期が後ずれしていることや、当面は低金利政策が続くと見られることから、国債利回りは当面低位で推移すると思われます。ただし景気回復が進むにつれ、債券利回りには緩やかな上昇圧力がかかりそうです。

■社債スプレッドは、主要な米国企業の底堅い業績や慎重な財務運営、社債への旺盛な需要などから、今後は安定的に推移すると見込まれます。

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