ホームマーケット日々のマーケットレポート米国の債券市場の最近の動向(2014年8月)  景気見通しの下振れなどから、利回りは低下【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

米国の債券市場の最近の動向(2014年8月)  景気見通しの下振れなどから、利回りは低下【デイリー】

2014年8月13日

【ポイント1】米国債利回りは、7月以降、低下傾向

景気見通しの下振れなどが要因
■7月中旬以降、米国では良好な企業景況感が発表されたものの、雇用環境の改善に一服が見らました。住宅や小売りなどの関連指標が弱かったこともあり、景気見通しが下振れ、米国債利回りの低下要因となりました。また、7月中旬の議会証言でイエレンFRB議長が、現在の低金利政策を相当な期間維持させる旨の発言をし、米国債利回りは低下しました。

■米国外では、エスピリト・サント銀行を巡る債務不履行問題や、ウクライナ情勢における米欧とロシア間での経済制裁の発表など地政学リスクが高まったことから、米国債利回りは低下しました。

【ポイント2】社債スプレッドはやや拡大

日米短期金利差も拡大
■安定的な金融資本市場の動向や、底堅い企業決算を背景に社債利回りは低下しましたが、米国債利回りの低下幅の方が大きく、社債スプレッド(国債との利回り差)はやや拡大しました。

■短期金利の動きをロンドン銀行間取引金利(LIBOR)でみると、当面は日米の低金利政策が続くと見られ、低位で安定的に推移しましたが、足元ではやや金利差が拡大しました。短期金利は今後も低水準が見込まれます。

【今後の展開】債券利回りは緩やかな上昇、社債スプレッドは安定的推移の見込み

■今年10月にも見込まれるQEの終了後は、物価動向や雇用関連指標が点検され、雇用の「質」の改善が十分となると見られる2015年後半以降に利上げが行われると見込まれます。

■債券市場では、低金利政策が当面続く見込みから、国債利回りは当面低位で安定すると思われます。ただし、景気回復が進むにつれて、債券利回りには緩やかな上昇圧力がかかりそうです。

■社債スプレッドは、主要な米国企業の底堅い業績や慎重な財務運営、社債への旺盛な需要などから、今後も安定的に推移すると見込まれます。

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