ホームマーケット日々のマーケットレポート米国の雇用統計(2014年7月)  「質」改善は一服も、雇用者数は堅調に増加【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

米国の雇用統計(2014年7月)  「質」改善は一服も、雇用者数は堅調に増加【デイリー】

2014年8月4日

【ポイント1】雇用者数は6カ月連続で20万人超の増加

■1日に発表された7月の非農業部門雇用者数は前月比+20.9万人と、6カ月連続で20万人超の増加となりました。また、5月、6月分は合計で1.5万人上方修正されました。

■7月の失業率は6.2%と、前月から0.1ポイント悪化しました。ただし、新たに職探しを始めた人が労働市場に参入したことが主因と考えられ、雇用環境の改善を示唆する内容と思われます。

【ポイント2】ほとんどの業種で雇用者が増加

■業種別では、ビジネスサービスが同+4.7万人、製造業が同+2.8万人、建設業が同+2.2万人となったほか、小売業が同+2.7万人、レジャー・娯楽業が+2.1万人となり、ほとんどの業種で雇用者数の増加がみられました。

■長期失業者(27週以上)は、6月の大幅減少から7月は増加に転じました。また、賃金の上昇は前年同月比+2.0%と、依然2.0%前後の低水準が続いています。長期失業者の多さや賃金上昇の緩慢さといった、「質」の面は改善が一服しました。

【今後の展開】雇用者数の堅調な増加は続き、金融緩和策は縮小が続く見込み

■雇用者数は失業率の安定的な低下に必要とされる前月比+15万人~20万人を超える水準で推移しています。景況感の改善なども伴い、今後も基調として20万人超のペースで増加することが見込まれます。

■雇用の改善に伴い、QEは今年10月にも終了が見込まれます。一方、7月のFOMCの声明文では「依然として未稼働の労働資源が著しく残っている」と指摘されました。QE終了後は雇用や物価など幅広い指標が点検され、利上げは雇用の「質」の改善が十分となる2015年後半以降になる見込みです。

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