ホームマーケット日々のマーケットレポートブラジル中央銀行が4会合連続の利上げ【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

ブラジル中央銀行が4会合連続の利上げ【デイリー】

2015年3月5日

【ポイント1】0.50%の利上げ

市場予想通りの決定
■ブラジル中央銀行(以下、中銀)は4日、政策金利を0.50%引き上げ、12.75%とすることを全会一致で決定しました。

■政策金利の引き上げは10月の会合から4会合連続で、引き上げ幅は市場の大方の予想通りの0.50%となりました。

【ポイント2】物価上昇の加速に対応

足元のレアル安にも配慮
■2015年2月前半の消費者物価指数は、前年同月比+7.36%と、1月の同+7.14%から上昇し、中銀の物価目標(年+2.5%~+6.5%)の上限を大きく上回る状況が続いています。背景には、干ばつの影響による食品の値上がりや、電力など公共料金の引き上げなどがあります。

■ブラジルレアルの軟調な推移が続いていることもあり、市場では当面物価が高止まると予想されています。物価高により景気が抑えられる懸念も考慮し、中銀は今回も利上げを続けることが適切と判断したと見られます。

【今後の展開】レアル安定のため、中銀は利上げと為替介入の継続を慎重に検討へ

■市場では、中銀が次回会合(4月28日~29日)でも利上げを続けるとの見方が大勢です。ただし、2016年末の物価上昇率の市場予想は低下(3月2日発表分は前年比+5.5%、1月5日発表分は同+6.56%)しており、中期的な物価予想には落ち着きが見られます。これまでの利上げ効果が期待され、今後の利上げペースを見極める上で、12日発表の今回会合の議事録が注目されます。

■中銀は3月末までの予定でレアル買いの為替介入を実施していますが、景気低迷が続くなか、この政策の縮小や打ち切りの観測が出ており、足元のレアル安につながっています。

■中銀は、物価予想の悪化を避けるため、為替介入を打ち切る場合には金融引き締め姿勢を強調するなど、両方の政策を慎重に組み合わせながら、レアルの安定を図ると思われます。

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