ホームマーケット日々のマーケットレポートメキシコの金融政策(2014年10月)  3会合連続で政策金利を据え置き【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

メキシコの金融政策(2014年10月)  3会合連続で政策金利を据え置き【デイリー】

2014年11月5日

【ポイント1】予想通り政策金利を据え置き

政策金利は過去最低の3%
■メキシコ銀行(中央銀行、以下中銀)は10月31日、政策金利(翌日物銀行間レート)を過去最低の3.0%に据え置くことを決定しました。

■政策金利は、6月の会合で3.5%から3.0%に引き下げられた以降、3会合連続で据え置きとなりました。ブルームバーグによると、27名のエコノミストのうち、26名が据え置きを予想していました(1名は0.25%の利下げを予想)。

【ポイント2】緩やかな景気回復に配慮

足元の物価高は特殊要因が影響
■声明文では、景気回復が緩やかなものにとどまっており、需要面からの物価上昇圧力は当面ほとんどないとの考えが示されました。

■10月前半の消費者物価指数は前年同月比+4.32%と、7月以降中銀の目標(年+3%、変動幅±1%)の上限を超えて推移しています。中銀は、足元の物価高は食肉の値上がりなど特殊要因による影響が大きいと見ています。

■こうした見方から、中銀は政策金利を引き続き過去最低水準に据え置くことが適切と判断したものと思われます。

【今後の展開】政策金利は当面維持され、メキシコペソは底堅く推移する見込み

■中銀は、米国の景気が底堅いことや国内で各種構造改革が進んでいることなどが景気の下支えになるとの考えを示しました。

■物価に関しては、ペソの米ドルに対する更なる下落や最低賃金の引き上げなどを押し上げ要因として警戒しています。ただし、景気の弱さや通信料金の一段の引き下げなどにより、物価上昇率は来年前半には目標の年+3%に向けて低下すると見ています。

■こうした見通しから、中銀は政策金利を当面維持すると見込まれます。米国の利上げ観測が高まる場合にペソの対米ドルでの下落が懸念されますが、米国景気の加速はメキシコ景気にとっても好材料です。先進各国と比較して金利水準が高いこともあり、ペソは底堅く推移しそうです。

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