日本株式市場の最近の動向 世界経済の先行き不透明感から大幅下落【デイリー】
2014年12月10日
【ポイント1】日経平均株価400円80銭安
7連騰で一時1万8,000円回復後、下落
■10日の日経平均株価は一時前日比▲500円超となった後、同▲400円80銭(同▲2.25%)の1万7,412円58銭で取引を終えました。前週に発表された米国雇用統計など、米国経済の拡大を背景に米ドル高・円安が進行し、8日の日経平均株価は一時1万8,000円を回復しました。しかし、9日には足元までの急速な円安の進行が一服し、世界景気の先行き不透明感などから下落に転じました。

【ポイント2】中国、ギリシャなどの要因は一時的
日本のGDP下方修正も、今後は回復へ
■8日、中国証券登記結算は短期の資金繰りへの低格付債の担保利用を不可とする規制を発表し、9日の上海総合指数は前日比5%超の下落となりました。一方、ギリシャでは来年2月に予定されていた大統領選挙を12月17日に前倒しすると決定されました。総選挙に発展する可能性も高く、ギリシャの財政緊縮路線が変わる観測も強まり、欧州株式は軒並み下落しました。
■日本では、8日に発表された7-9月期の実質GDP成長率の2次速報が前期比年率▲1.9%と、1次速報の同▲1.6%から下方修正されました。設備投資の下方修正などが主因となりました。

【今後の展開】日米ともに株価は底堅い見込み
■日本経済は消費税増税の影響により回復にもたつきが見られ、10月31日の追加金融緩和に続く、更なる緩和拡大への市場の期待もあります。また欧州でも量的金融緩和拡大への期待が見られます。こうしたなか米国経済は堅調で、早期利上げ期待が高まっており、米ドルの先高感が続くと想定され、引き続き円安基調となりそうです。
■来年の通常国会に向けて、政府からは景気を下支えするための経済対策が示されています。このほか、円安による企業業績の上振れも見込まれます。また米国の企業決算も堅調に推移しています。引き続き年末に向けて不安定な局面も想定されますが、日米ともに株式市場は底堅い展開が続きそうです。