世界の「投信マネー」
債券は北米中心の流入が継続しよう【デイリー】
2017年7月5日
株式はグローバル、GEM、欧州へ流入
■EPFRグローバル(注1)で世界の「投信マネー」の17年6月の動向を見ると、株式ファンドは268億ドル(5月225億ドル)、債券ファンドは358億ドル(同280億ドル)とともに前月より流入超額が拡大しました。
■6月の株式ファンドは先進国全般に投資する「グローバル」が125億ドル、新興国全般に投資する「GEM(注3)」が61億ドル、「欧州」が55億ドルの流入超となりました。日本を含む「アジア(注4)」も29億ドルの流入超となりましたが、「新興国アジア(EMアジア)(注5)」は同10億ドルの流入超にとどまりました。
■「北米」は3カ月連続の流出超となりました。
債券は北米中心。グローバル、GEM、欧州にも流入
■債券ファンドは「北米」中心の流入超に変化はありません(6月172億ドル)。先進国全般に投資する「グローバル」が同69億ドル、「欧州」も同49億ドルの流入超となりました。日本を含む「アジア」は同1億ドルの流出超に転じました。
■新興国は「EMアジア」が同5億ドルの流出超に転じました。ただ、新興国の大勢を占める「GEM」への資金流入は同71億ドルと続いていることから、新興国市場から資金が流出しているわけではありません。
米国の国債利回りはゆるやかな上昇へ
■米国は景気の回復が底堅く、金利の正常化はゆっくりとした速度で進む見込みです。欧州の投資家を中心に米国債券に対する需要が底堅いことから、米国債利回りの上昇は抑えられると考えられます。長期金利の水準が低位であれば、米国社債の相対的に高いクーポン(利息)の魅力は続くと考えられ、米国社債への資金流入も継続しそうです。
