米国債券市場の動向(2017年6月)
長期金利はゆるやかな上昇へ、社債への需要は根強い 【デイリー】

2017年6月30日

【ポイント1】国債利回りは小幅な上昇

欧州での緩和縮小観測が影響

■6月の米国10年国債利回りは、下旬まで概ね低下基調を辿りました。中旬には利上げが実施されましたが、消費者物価や小売売上高など市場予想を下回る経済指標の発表や、原油価格の下落を受け、今後の利上げのペースは緩慢なものに止まるとの見方が強まったためです。

■しかし、月末にかけて、欧州中央銀行(ECB)総裁が金融緩和策の縮小に前向きな姿勢を示した影響で、米国の債券利回りも上昇しました。

【ポイント2】投資適格債は堅調に推移

ハイイールド債は軟調

■一方、社債スプレッド(国債と社債の利回り格差)は、投資適格債が小幅な縮小となったのに対し、ハイイールド債は拡大しました。

■堅調な景気・企業収益の拡大、物価上昇率の低位安定等から、投資適格債は引き続き堅調に推移しました。他方、ハイイールド債は、原油価格下落の影響によるエネルギーセクターの不調が全体の足を引っ張りました。

【今後の展開】国債利回りはゆるやかな上昇へ

■米国景気は底堅く、今後も利上げは継続される見通しです。さらに米連邦準備制度理事会(FRB)は年内にもバランスシート(B/S)の縮小を開始する意向を示しています。ただし、物価の上昇率が低い水準で推移すると予想されるため、利上げやB/Sの縮小はゆっくりとした速度で進められる見込みです。長期金利の上昇はゆるやかなものとなりそうです。

■社債については、長期金利が低い水準で推移する限り、相対的に高いクーポン(利息)の魅力は続きます。従って、社債への資金流入は、今後も継続すると予想されます。

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