BOEの金融政策(2016年11月)
金融政策は据え置き、中立スタンスに変更 【デイリー】
2016年11月4日
【ポイント1】金融政策は据え置き

政策金利、量的緩和規模とも維持
■イングランド銀行(BOE、イギリスの中央銀行)は、3日の金融政策委員会で、政策金利を0.25%に据え置きました。また、国債などを買い取って金融市場に資金を供給する量的緩和の規模については4,350億ポンドを、別途の社債購入枠は100億ポンドをそれぞれ維持しました。
■金融政策の据え置きは市場の予想通りでした。
【ポイント2】インフレ見通しを引き上げ

英ポンド安の影響
■BOEは、同時にインフレ報告書を発表し、英ポンド安の影響から17年のインフレ見通しについて従来予想(8月時点)の2.0%から2.7%へ、18年を2.4%から2.7%へと大きく上方修正しました。
■経済見通しも修正しました。家計部門の強さを背景に17年の経済成長を従来の0.8%から1.4%に引き上げる一方、18年の見通しはインフレなどの影響で1.8%から1.5%に引き下げました。
【今後の展開】中立スタンス変更に伴い、当面政策金利は据え置きの見込み
■BOEは、声明文で、経済⾒通しの変化に応じてどちらの⽅向(緩和または引き締め)にでも動くことができるとし、次期金融政策について前回の緩和寄りから中立スタンスに変更しました。このため政策金利は当面据え置かれる見込みです。
■一方、ロンドンの高等法院は3日、英国の欧州連合離脱の手続きを巡り、離脱通知には議会の承認が必要との判決を下しました。今後、政治的な不確実性が再び強まり、金融市場や経済活動の振れの大きい動きが続く可能性があります。