ホームマーケット日々のマーケットレポートECBの金融政策(2016年10月)現状維持:12月追加緩和を予想/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

ECBの金融政策(2016年10月)
現状維持:12月追加緩和を予想 【デイリー】

2016年10月21日

【ポイント1】現状維持を決定

政策金利、量的緩和を据え置き

■欧州中央銀行(ECB)は20日の理事会で、政策金利、中銀預金金利(金融機関がECBに余剰資金を預け入れた際に適用する金利)を、それぞれ0.00%、▲0.40%に据え置き、量的緩和の規模(月800億ユーロの資産購入額)も維持することを決定しました。金融政策の現状維持は、市場の予想通りでした。

【ポイント2】12月に政策見直し示唆

今回は資産買入れ延長検討せず

■ドラギ総裁は記者会見で、資産買入れの期間延長について議論しなかったことを明らかにしました。また、ECBが購入する債券の不足に直面した場合のオプションについて議論した一方、テーパリング(買取額の縮小)については議論しなかったとしました。

■次回12月8日の理事会では2019年までの経済見通しが示され、金融政策のあり方について再協議される見通しです。ドラギ総裁は「資産買取が突然終わる可能性は低い」との意見を述べ、期間延長等の追加緩和に含みを持たせました。

【今後の展開】12月の追加金融緩和が見込まれる

■9月のユーロ圏の消費者物価は、前年同月比+0.4%と、ECBの目標である+2.0%近辺を大きく下回っています。ECBの経済予測(9月時点)では、17年と18年のインフレ率の見通しを+1.2%、+1.6%としていますが、景気が力強さを欠くなかで、物価は上がりにくい状況です。

■ECBは12月の理事会で追加緩和を行うことが見込まれます。追加緩和策としては、①17年3月までの実施が公約されている量的金融緩和の終了時期延長(+6カ月)、②ECBの国債買取り条件の緩和(より期間の長い国債、中銀預金金利以下の利回りの国債購入)等が考えられます。

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