ホームマーケット日々のマーケットレポート中国の経済・市場動向(2017年9月)景気は減速傾向:中国株、人民元は堅調地合い/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

中国の経済・市場動向(2017年9月)
景気は減速傾向:中国株、人民元は堅調地合い【デイリー】

2017年9月14日

【ポイント1】固定資産投資の伸び鈍化

生産や小売売上高も伸び鈍化

■中国国家統計局は14日、主要経済指標を発表しました。1~8月の固定資産投資は前年同期比+7.8%と、1~7月(同+8.3%)から伸び率が鈍化しました。固定資産投資全体の約6割を占める民間投資の減速などが要因です。

■8月の鉱工業生産は前年同月比+6.0%と、7月(同+6.4%)から伸び率が縮小しました。また、8月の小売売上高も前年同月比+10.1%と、7月(同+10.4%)からやや減速しました。

【ポイント2】景気減速の動きが続く

景気は底堅さを保つ見込み

■14日発表の主要経済指標は、いずれも市場予想を下回り、中国景気が減速している動きが示されました。ただし、国家統計局は減速の特殊要因として高温多雨の影響を挙げています。8月の降雨量が1961年以来3番目に多かったことや、8月のPMIが上振れするなど企業の景況感は良好なことを踏まえれば、今後の中国景気は減速しても一定の底堅さを保つと見られます。

【今後の展開】底堅い景気を背景に中国株式や人民元は堅調地合い

■為替市場では、人民元の対米ドル相場が上昇し、一時約1年4カ月ぶりの高値をつけました。主要通貨に対するドル安が進行するなか、中国景気が底堅いことや中国当局が10月の共産党大会をにらみ、人民元を高めに誘導していることから、人民元は当面しっかりとした動きが見込まれます。

■中国の代表的な株価指数の上海総合指数は約1年8カ月ぶりの高値水準で推移しています。底堅い景気を背景に企業業績が改善していることに加え、最近の人民元高・ドル安が中国への資金流入を促す期待もあり、中国株式は堅調地合いを維持しそうです。

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