ホームマーケット日々のマーケットレポート最近の指標から見る中国経済(2016年8月) 中国当局は財政政策で景気支援へ/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

最近の指標から見る中国経済(2016年8月)
中国当局は財政政策で景気支援へ 【デイリー】

2016年8月17日

【ポイント1】固定資産投資が減速

民間投資が急減

■1~7月の固定資産投資は前年同期比+8.1%と、1~6月(同+9.0%)よりも伸び率が一段と縮小しました。固定資産投資全体の6割を占める民間投資の伸びが同+2.1%と、今年に入って急減速しているためです。景気の先行きに不透明感が高まる中で、民間企業が投資に慎重になっている模様です。

【ポイント2】鉱工業生産も伸びが鈍化

小売売上高も伸びが鈍化

■7月の鉱工業生産は前年同月比+6.0%となり、6月(同+6.2%)より伸び率が鈍化しました。市場予想(+6.2%、ブルームバーグ集計)を下回りました。

■7月の小売売上高も、前年同月比+10.2%と、6月(同+10.6%)と比べて伸び率が縮小しました。ただ、2桁の伸びを維持しており、引き続きしっかりしています。

【今後の展開】先行きは景気対策で持ち直しへ

■7月の主要経済指標は、軒並み前月からの減速を示しました。習近平指導部が構造改革路線を掲げていることで、政策に敏感な民間企業が投資に慎重になったことが背景にあると考えられます。また、鉱工業生産や固定資産投資の減速は、長江の洪水被害の影響も受けていると見られます。

■これに対し、中国当局は7月26日、共産党中央政治局会議で、適度な総需要の拡大を強調しつつ、政策姿勢を景気支援に傾けることを機関決定し、財政政策を重視する方針を示しました。足元の景気減速に対し景気対策が講じられることで、中国景気は先行き持ち直すと期待されます。

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