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中国の「PMI」(中国) 【キーワード】

2016年8月3日

<今日のキーワード>
「PMI」とは、購買担当者景気指数(Purchasing Manager's Index)の略で、景況感を判断する基準の一つとして毎月発表される経済指標です。景気判断について50を上回れば拡大、下回れば縮小を示します。中国では、中国国家統計局と中国メディアの「財新」が、アンケート調査からそれぞれの「PMI」を公表しています。政府系と民間系の「PMI」は、調査対象の企業数や中小企業の比率などに違いがあります。

【ポイント1】政府系の「PMI」は49.9

5カ月ぶりの50割れ

■中国国家統計局が1日発表した7月の製造業「PMI」は49.9ポイントでした。前月から0.1ポイント悪化し、景気判断の節目となる50を、2月以来5カ月ぶりに下回りました。

■中国国家統計局は50割れの理由として、①洪水の影響、②民間投資の落ち込み、③素材産業の生産圧縮を挙げています。

【ポイント2】財新の「PMI」は50.6

17カ月ぶりの50超え

■一方、中国メディアの財新が1日発表した7月の製造業「PMI」は50.6と、前月比2.0ポイント改善しました。市場予想(48.8、ブルームバーグ集計)を大幅に上回り、節目の50を17カ月ぶりに超えました。

■財新は大幅改善の理由として、「積極財政の効果が表れた」と分析しています。ただし、財新の「PMI」は政府系に比べ調査対象の企業数が少ないことに留意が必要です。

【今後の展開】景気は先行き持ち直しへ

■7月の製造業「PMI」は、政府系が50割れに悪化する一方、民間系は17カ月ぶりに50超えに改善しており、政府系と民間系で正反対の動きとなりました。

■解釈が難しいところですが、中国では、民間固定資産投資が急減するなど、足元の景気が勢いを欠く中で、大規模な洪水被害が発生しているため、生産や新規受注の減少を示す政府系の「PMI」が、今回は実態に近いと見られます。

■洪水被害拡大の影響もあり、今後中国の成長率はやや鈍化する見込みですが、先行きは復興需要等により持ち直すと期待されます。

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