ホームマーケット日々のマーケットレポート2015年の中国経済の見通し  「7%前後」の成長率を目標とする「新常態」へ【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

2015年の中国経済の見通し  「7%前後」の成長率を目標とする「新常態」へ【デイリー】

2014年12月19日

【ポイント1】2014年の成長率は7.4%へ

消費や投資は勢いを欠く
■2014年の中国の成長率は前年比7.4%程度と低下する見込みです。経済の減速を容認しながら、過剰設備削減や不動産市場の過熱回避を図り、経済構造改革を急ぐとの方針が進められました。

■年後半にかけて消費や投資は勢いを欠き、11月におよそ2年4カ月ぶりとなる利下げが行われました。

■物価上昇率は、足元の原油安の影響も加わり、11月は前年比+1.4%と抑制されています。

【ポイント2】2015年は「新常態」へ

成長鈍化と構造改革の両立模索
■来年3月の全国人民代表大会で決定される2015年の成長率目標は、「7%前後」に引き下げられる見込みです。12月に開催された中央経済工作会議では、経済構造改革と成長を両立した「新常態」を目指す方針が打ち出されました。

■過剰設備削減や不動産市場の過熱回避の方針は継続するとみられます。消費や投資などの内需の伸びは緩やかな一方、外需が成長へプラスに寄与することが見込まれます。物価上昇率は引き続き抑制傾向が続くと見込まれます。

【今後の展開】利下げと小規模な財政刺激で、軟着陸図る

■金融政策は、中立的なスタンスが維持される方針です。足元の金利水準は中小企業の資金繰りを圧迫しているとみられ、小幅な利下げや預金準備率の引き下げが見込まれます。

■財政支出は小幅に拡大する見通しです。これまでの大規模な対策ではなく、政策目的を絞った小型の景気刺激策が見込まれます。

■「新常態」の実現を目指して、成長力を強める産業育成策、現代版シルクロード(一帯一路)の建設などの地域振興策、格差を是正する社会保障政策に重きが置かれる見込みです。

関連マーケットレポート