豪州の金融政策は15会合連続の据え置き(2017年12月)
景気は堅調に推移、7-9月期の実質GDP成長率は+0.6%【デイリー】
2017年12月6日
【ポイント1】景気は拡大基調を持続
7-9月期成長率は前期比+0.6%
■2017年7-9月期の豪州の実質GDP成長率は、前期比+0.6%となりました。年率換算すると+2.4%となり、市場予想の同+2.8%には及ばなかったものの、拡大基調は維持しました。
■所得の伸び悩み等による民間消費の鈍化を、資源価格の持ち直しを受けた鉱山関連の設備投資の復調や、輸出の続伸等で吸収しました。
■雇用が順調に増えていることから、個人消費は今後、復調する見通しです。このため、17年の成長率は+2%台前半となる見込みですが、続く18年には+3%近傍まで加速すると予想されます。

【ポイント2】金融政策は現状維持
予想通り1.50%で据え置き
■豪州準備銀行(RBA)は12月5日に開催した金融政策決定会合で、市場の予想通り政策金利を1.50%に据え置く決定をしました。
■インフレは直近7-9月期で前年同期比+1.8%と、依然としてRBAの目標値である+2%を下回っていますが、RBAは景気の持続的な拡大に伴い目標値に向かって加速するとの見方を維持しました。現状ではRBAが政策金利を変更する必要性は低く、当面、金利は据え置かれると考えられます。

【今後の展開】豪ドルは底堅い展開へ
■足元の豪ドルの対円相場は軟調な展開となっていますが、資源価格の持ち直し等から豪州経済の成長率加速や、国際収支の黒字基調継続が予想されること、日豪の金融政策の方向性が異なること(日銀は緩和姿勢維持、RBAは据え置きの見通し)等を踏まえると、豪ドルは対円で底堅く推移すると予想されます。