トルコの金融政策(2016年12月)
景気への配慮から政策金利を据え置き【デイリー】

2016年12月21日

【ポイント1】政策金利を据え置き

市場予想は貸出金利の引き上げ

■トルコ中央銀行(以下、中銀)は20日に開催した今年最後の金融政策決定会合で、主要な政策金利である1週間物レポ金利を8.00%、翌日物貸出金利を8.50%、翌日物借入金利を7.25%に、それぞれ据え置きました。

■市場では、トルコリラの下落に歯止めをかけるため、中銀が翌日物貸出金利を0.25%引き上げるとの見方が大勢を占めていましたが、中銀は予想に反して3つの政策金利を全て据え置きました。

【ポイント2】景気に配慮

利上げに対する政府反発の公算

■前回11月の決定会合では、トルコリラ安によるインフレ懸念を利上げの理由として挙げました。ところが今回は通貨安がさらに進んだにもかかわらず、利上げを見送りました。

■声明文は、トルコリラ安や原油価格の上昇をインフレ要因と認めつつも、「これらを景気の鈍化が相殺」していると述べました。7-9月期の成長率が大きく落ち込んだことを受けて、政府サイドから利上げに対する反発が強まった可能性が考えられます。

【今後の展開】トルコリラは当面下値模索の展開

■今回の政策決定は、トルコ中銀の独立性の低さを示唆するものでした。トルコでは、大統領への権限集中が進んでいることを踏まえると、成長の足かせとなる利上げは今後ますます困難になる恐れがあります。

■トルコでは、未遂には終わったものの7月にクーデターが発生しました。海外からは、近隣中東諸国の紛争の影響が及んできています。こうした政治的な混乱もあるため、トルコリラは当面下値を模索する展開となりそうです。

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