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【デイリー No.1,890】インドネシアの金融政策(6月) ~7会合連続で政策金利を据え置き~

2014年6月13日

<ポイント>
・インドネシア中央銀行(以下、中銀)は市場予想通りに、政策金利を7.5%で据え置きました。
・インフレ率が低下傾向にあることや、経常収支の赤字の安定化が見込まれることが主な要因です。
・中銀はインフレ率と経常収支の動向を注視しつつ、当面は現行の政策金利を維持すると思われます。

1.政策金利を7.5%に据え置き

 中銀は12日、政策金利を7.5%に据え置くことを決定しました。昨年11月に政策金利を引き上げて以降、7会合連続で据え置きました。声明文では、引き続き物価の安定化と経常収支の赤字の縮小を目指す方針が示されました。

2.インフレ率は低下傾向

 5月の消費者物価指数は前年同月比+7.32%となり、中銀の目標レンジ(+3.5%~+5.5%)の上限を依然として上回っています。ただし、年初より低下傾向にあり、中銀は目標に向かい低下していると見ています。また、先行きの物価のリスクとして、燃料などの公定価格の引き上げや天候要因による食品価格の上昇などを注視しています。
 4月の貿易収支は19億6,000万米ドルの赤字となり、3月の6億6,900万米ドル(改定値)の黒字から赤字に転換しました。中国向け石炭輸出の減少や、機械類など資本財の輸入が拡大したことによります。中銀は、足元の輸入の拡大には季節要因が影響していることや、製造業分野の輸出が拡大していることなどから、貿易収支は改善に向かうと見ています。

3.今後の市場見通し

 今回の政策金利の据え置きは、市場予想通りであり、市場に与えた影響は限定的でした。中銀の目標レンジを上回りながらもインフレ率は低下傾向にあることから、中銀は引き続き現行の政策金利を維持すると思われます。
 インドネシアの株式市場は、インフレや経常収支の改善傾向、底堅い景気を背景に上昇傾向にあります。世界経済の緩やかな回復や同国の経済と企業収益の成長期待を背景に今後も底堅く推移すると思われます。今年7月予定の大統領選挙では、経済政策に定評のある闘争民主党・ジョコウィドド氏の当選が有望視されており、この状況が維持されることは、市場へのプラス材料と見られます。

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