ホームマーケット日々のマーケットレポート2023年12月の注目イベント 主要中銀の政策金利は据え置きか

2023年12月の注目イベント

主要中銀の政策金利は据え置きか

2023年11月28日

■12月は主要中央銀行の金融政策決定会合が開催されます。米連邦準備制度理事会(FRB)は、10月31日〜11月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、2会合連続の政策金利据え置きを決めました。11月21日に公表されたFOMC議事要旨によると、引き続き経済データ次第で追加の金融引き締めがありうることが示されました。ただし、足元の経済指標はインフレ率の鈍化傾向を示す指標が続いており、FRBは12月のFOMCで3会合連続となる政策金利の据え置きを決めるとみられます。


■欧州中央銀行(ECB)は10月の理事会で、2022年7月の利上げ開始以来初めて、政策金利を据え置きました。欧州の景気減速が鮮明になるなか、政策金利の一つである預金ファシリティ金利は4.0%とすでに過去最高水準に達していることから、ECBは12月の理事会でも利上げを見送るとみられます。


■日銀は10月末の金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)を再修正し、長期金利の「上限の目途」を1%として、1%を一定程度超えることを容認しました。その後長期金利が低下していることや、植田総裁が24年の春闘の行方などを見極めて政策判断を行う姿勢を示していることから、12月会合は現状維持となりそうです。

   

 

チーフリサーチストラテジスト
石井康之(いしい やすゆき)

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