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メキシコ中銀は政策金利を引き上げ

インフレを警戒、前回会合に続き連続で利上げ

2021年8月16日

【ポイント1】政策金利を4.5%に引き上げ

■メキシコ銀行(中央銀行、中銀)は8月12日に金融政策決定会合を開き、政策金利を4.25%から4.5%に引き上げました。中銀は前回6月の会合で2年半ぶりの利上げに踏み切りましたが、今回で2回連続での利上げとなります。


■最近発表された経済統計でも、インフレは引き続き中銀の物価誘導目標のレンジ上限を上回って推移しており、金融政策への信認を維持するためインフレへの断固たる姿勢を示した格好です。

【ポイント2】景気とインフレ見通しを上方修正

■人件費の上昇もありインフレの高止まりが広範囲に広がっていることから、今年の消費者物価上昇率の弊社予想を従来の5.0%から5.5%に引き上げました。


■また、米国景気の拡大に加え、雇用環境の改善にともなう内需の回復から、今年のGDP成長率の弊社予想を5.5%から5.7%に引き上げました。


■弊社では、予想を超えるインフレ高止まりの長期化と順調な景気回復を勘案し、年内に更に3回、計0.75%の追加利上げが実施されるものと予想しています。

【今後の展開】メキシコペソは堅調、デルタ型蔓延と米国の金融政策には注意

■順調な景気回復や金融引き締めによる短期金利の上昇基調から、メキシコペソは引き続き堅調な推移が続くものと見込まれます。


■ただし、足元で新型コロナウイルスのデルタ型の感染が急速に拡大しており、景気への影響を注視する必要がありそうです。また、米国の金融政策の変更が予想外のスピードで進む場合には、資本の海外流出への懸念からメキシコペソも調整する可能性があり、注意が必要です。

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