インフレの高止まりにいら立つメキシコ中銀

年内の追加利上げは不可避か

2021年7月19日

【ポイント1】予想外のインフレ高止まり

■メキシコ銀行(中央銀行、中銀)は先月、大方の予想に反し2年半ぶりの利上げに踏み切りました。7月8日に発表された金融政策決定会合の議事要旨には、一時的と考えていたインフレ率の上ぶれが予想に反して長期化していることへの強い警戒感が垣間見られます。


■米国が主導する形でメキシコの景気回復も鮮明になってきました。このため、もはや景気刺激的な金融政策を正当化することは困難となり、急遽利上げに踏み切った格好です。

【ポイント2】当社見通しを上方修正

■弊社では、メキシコ経済の回復傾向が鮮明になってきたことから、インフレと政策金利の見通しを上方修正しました。2021年通年での消費者物価総合指数の予想を先月の+4.5%から+5.0%に、2021年末の政策金利の予想を従来の4.5%から4.75%に、それぞれ引き上げました。


■エネルギー価格だけでなく、人件費の高騰を背景に消費者物価のコア指数も中銀の許容する水準を上回って推移していることもあり、年内にも追加利上げが実施されるものと予想しています。

【今後の展開】メキシコペソは堅調推移、引き続き米国の金融政策に注意

■政局の安定、景気の回復、経常収支の黒字化など、良好なファンダメンタルズを背景にメキシコペソは堅調な推移が続くものと想定しています。また、中銀が市場での思惑が広まる前に先手を打つ形で利上げに踏み切ったことも、金融政策に対する信頼感を高めることで通貨ペソにとっては好材料といえそうです。


■一方、米国の金融政策の動向には引き続き注意が必要です。米国でも足元のインフレの上振れが長期化することへの懸念がくすぶっていますが、今後も市場参加者の金融政策見通しが大きく揺らぐ局面では、新興市場からの資本流出の動きがメキシコにも波及する可能性があり、注意が必要です。

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