アジア・オセアニアのリート市場は感染拡大の影響で大幅下落
先行き不透明感強く、変動性の高い動き続く

2020年4月8日

【ポイント1】アジア・オセアニアリートは大幅下落

感染拡大で市場は混乱深まる

■足元のアジア・オセアニアのリート市場は大幅に下落しました。4月6日現在のアジア・オセアニアのリート市場は、現地通貨ベースでアジア・パシフィック(除く日本)が2月末比▲26.5%、香港は同▲10.8%、シンガポールは同▲25.0%、オーストラリアは同▲32.5%となりました。   

■新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に対する懸念が強まり、3月16日には米国株式市場でダウ工業株30種平均指数が前日比で過去最大の下げ幅となるなど、金融市場の動揺に歯止めがかからない状況となりました。このため、アジア・オセアニアのリート市場も全般的に下落しました。政府の対策が奏功していたものの、再度感染拡大に転じたシンガポールや、株式対比で業績が安定的とみられてきた大手リートが業績見通しを撤回したことが嫌気されたオーストラリアなどが大きく調整しました。

【ポイント2】物流施設、データセンターは相対的に堅調

■セクター別では、物流施設やデータセンターなどの産業施設セクターは、世界的な高需要が見込まれ相対的に堅調でした。一方、ホテルや商業施設セクターは、各国の行動規制を受けて旅客数の大幅な減少や消費活動の停滞がみられ、慎重な見方が広がりました。オフィスセクターは景気敏感な特徴があるため、今後は景気動向と各国の支援政策の効果などに注視する必要があると考えます。

【今後の展開】各国政府による大規模な財政・金融政策が下支え

アジア・オセアニア市場は神経質な展開が続く

■アジア・オセアニアリート市場は各種報道や経済指標などに左右され神経質な展開が続くとみられます。各国では感染拡大抑制のため、レストランやジム、映画館などが営業停止・縮小の措置が取られています。経済全体に不透明感が漂い、リート市場も変動性の高い動きが続きそうです。

■一方で、各国の金融・財政政策も積極化しています。シンガポールでは所有者の不動産税の一部免除、オーストラリアでは失業者や中小企業への補助金交付などが発表されました。新型コロナウイルスの収束状況次第ではありますが、大規模な財政・金融政策は下支えになると考えます。金融緩和に伴う低金利環境の長期化が予想されることも支援材料です。

関連マーケットレポート