インドの経済・市場動向(2018年4月後半)
債券市場は急反落、株式市場は緩やかな上昇【デイリー】
2018年4月25日

【ポイント1】債券市場は急反落
インドルピーも対米ドルで下落
■インド債券市場は、インド準備銀行がインフレ見通しを引き下げたことや、国債の需給改善観測が強まったことから、3月中旬から4月上旬にかけて大きく上昇しました。しかし、その後は米金利や原油価格の上昇、金融政策決定会合の議事要旨の内容がタカ派的であったこと等を受けて急反落する展開となりました。10年国債利回りは、4月上旬に一時7.1%台まで低下しましたが、足元で7.7%程度へ戻しています。
■また、通貨ルピーは対米ドルで下落しています。原油価格の上昇が続いていることで、インフレ懸念に加え、インドの経常収支の赤字拡大が嫌気されていることが背景です。
【ポイント2】株式市場は緩やかな上昇
景気加速見通しや企業の好決算を好感
■一方、インド株式市場は、主要株価指数のSENSEXが3月下旬の年初来安値圏から反発し、4週続伸するなど、緩やかな上昇基調を辿っています。米中の貿易摩擦の懸念が後退するなか、インドの景気が加速する見通しやIT企業の好決算等を受けて、買いが優勢となっています。
【今後の展開】今年のモンスーンは平年並みの予測、市場の安心材料に
■インド気象庁(IMD)は4月16日、今年のモンスーン(雨季)の降雨量の一次予測を発表しました。農産物の生産量を左右するモンスーンの降雨状況は、インドの経済活動や物価に大きな影響を与えるため、金融市場で注目されています。IMDによれば、今年は平年並みの降雨量となる見込みです。
■モンスーンが平年並みの降雨量という予測は、農家の所得減少による消費停滞や、食品価格の高騰に伴う物価上昇のリスクが低減するという点で、インドの金融市場の安心材料となりそうです。
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