ホームマーケット日々のマーケットレポートブラジル大統領選挙(ブラジル)【キーワード】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

ブラジル大統領選挙(ブラジル)【キーワード】

2014年9月17日

<今日のキーワード>
ブラジルでは、10月に大統領選挙が予定されています。5日に第1回目の投票が実施され、過半数の得票者がいない場合には、上位2名での決選投票が26日に行われる予定です。現職のルセフ氏が2期目を目指して与党労働者党(PT)から出馬しているほか、ブラジル社会党(PSB)のシルバ氏とブラジル社会民主党(PSDB)のネーベス氏が有力候補と言われています。

【ポイント1】上位2名の決選投票までもつれる見込み

世論調査による支持率はルセフ氏とシルバ氏が拮抗
■9月8日~9日に実施されたDatafolha社の世論調査では、3人の有力候補のうちルセフ氏が支持率のトップを維持したものの50%には届かず、2位のシルバ氏との差は非常に小さい状況です。

■この2候補が第2回投票に進んだ場合の支持率は、シルバ氏が47%、ルセフ氏が43%と順位が逆転しています。大統領選挙は2回目の決選投票までもつれる見込みが強まり、接戦になっています。

【ポイント2】景気低迷が現職ルセフ氏への逆風

シルバ氏は透明性の高い経済政策を掲げる
■ルセフ氏が再選に向けて苦戦している主な要因は、景気の低迷と見られます。4-6月期の実質GDP成長率は、前期から2期連続のマイナス成長となりました。7月は鉱工業生産と小売売上高が前年同月比マイナスになり、サッカーワールドカップの開催は、景気やルセフ氏の人気の回復につながらなかった模様です。

■シルバ氏は環境保護派の政治家として知られ、前回の大統領選挙では、第1回投票で3位となる約19%の票を得ました。経済面では、責任ある財政、為替市場での不介入主義、物価目標の重視など、透明性の高い政策を掲げています。現政権は個別の製品への税負担軽減策や為替介入政策の頻繁な変更などに批判があり、シルバ氏の政策は対照的と評価されています。

【今後の展開】選挙戦の行方は、経済活性化に向けた政策を打ち出せるかがカギ

■ルセフ氏は財務相更迭示唆で巻き返しを図る
ルセフ氏は、再選された場合にマンテガ財務相を登用しない意向を示すなど、経済政策の変更期待による巻き返しを図っています。一方、シルバ氏は自らの新党結成を断念して昨年社会党支持に回ったばかりであり、政策実現に向けて盤石な政権を樹立できるか疑問の声もあります。

■市場は世論調査の結果などに影響される展開
決選投票でのシルバ氏勝利による経済政策の刷新期待を背景に、株式市場やレアルが上昇する局面が見られます。一方、底堅いルセフ氏の支持率などに注目が集まり、上値が抑えられる局面も見られます。選挙戦の行方は、経済活性化に向けた政策を打ち出せるかがカギとなりそうです。

関連マーケットレポート