ホームマーケット日々のマーケットレポートブラジルの金融政策(2014年9月)  3会合連続で政策金利を据え置き【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

ブラジルの金融政策(2014年9月)  3会合連続で政策金利を据え置き【デイリー】

2014年9月4日

【ポイント1】政策金利を11%に据え置き

全会一致、市場予想通りの決定
■ブラジル中央銀行(以下、中銀)は3日、政策金利を11%に据え置くことを発表しました。据え置きの決定は全会一致で、5月以来3会合連続です。

■ブルームバーグがまとめた事前予想では、54名のエコノミストのうち53名が政策金利の据え置きを予想(1名が0.25%の利下げを予想)しており、大方の予想通りの決定になりました。

【ポイント2】景気と物価の両にらみを継続

物価は高止まり、景気は後退
■8月前半の消費者物価指数は前年同月比+6.49%と、中銀の目標レンジ(年+2.5%~+6.5%)の上限近くの推移が続きました。先行きの物価上昇率も、高止まりが見込まれています。

■4-6月期の実質GDP成長率は前期比▲0.6%となりました。前期(同▲0.2%、改定値)から2期連続マイナスの景気後退となりました。

■中銀は、低迷する景気に配慮しつつ、物価上昇率の高止まりへの警戒から今回も高めの政策金利を維持したと見られます。

【今後の展開】中銀は高金利政策を維持すると見られ、レアルは底堅く推移しそうです。

■中銀は、賃金上昇や公共料金引き上げなどにより、物価上昇率が当面高止まりすると見ています。足元では景気支援のために政策金利の引き下げが必要との見方が強まりつつありますが、中銀は物価上昇への警戒から高水準の政策金利を当面維持すると見込まれます。

■海外景気の回復などから、外需が主導して景気は持ち直すと見られます。また、10月に大統領選挙を控え、政権交代による経済政策刷新への期待が高まっています。政権交代の場合は、中長期的な成長期待が高まる可能性もあります。

■中銀の高金利政策やレアル買いの為替介入に加え、日銀の強力な金融緩和もあり、レアルは対円で底堅く推移しそうです。海外景気の鈍化の場合などには注意が必要です。

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