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資産形成で『配当』はなぜ大事なの?~『配当』②~【キーワード】

2017年9月12日

<今日のキーワード>
株式投資からの収益には、株価の値上がりや値下がりによる変動に伴って生じる利益と、投資した企業から受け取る『配当』があります。9月8日のマーケット・キーワードでは、『配当』がどう決まるのかについてまとめました。今日は、『配当』に焦点を当てたレポートの第2回目で、資産形成において『配当』がもたらす「プラスの力」について、幾つかの例を見ていきましょう。

【ポイント1】『配当』がもたらす「プラスの力」

2つの事例で考えてみましょう

■一株10万円の株式を買って、10年後に株価が15万円になった状況を考えてみましょう。市場には二つの株式があり、一つの株式は『配当』がゼロ、もう一つの株式は毎年5千円の『配当』を払うとします。それぞれの場合の投資収益を見てみましょう。(税金は考慮していません)

■①『配当』ゼロの会社に投資した場合は、10年で投資金額が15万円になり、年間の平均収益率は+4.1%です。②『配当』が5千円の会社に投資した場合は、『配当』を再投資しないとすると、受け取る『配当』の総額は10年間で5万円になり、投資した10万円が20万円(15万円+5万円)となります。年平均収益率は+7.2%です。株価上昇から得られる年平均収益率は+4.1%ですので、『配当』によって1年当たりの収益率は約3%のプラスとなります。これが『配当』がもたらす「プラスの力」です。

【ポイント2】株式投資の収益は『配当』によって押し上げ

日本と米国の実績をチェック

■このように、株式投資の収益は、株価の変動による部分と、『配当』による部分に分けて考えることができます。過去15年を振り返って、日本や米国で主要な株価指数に投資していた場合の1年当たりの投資収益を計算すると以下のようになります。実際に『配当』が投資収益を押し上げ、「プラスの力」となってきたことが分かります。

日本(TOPIX): +8.33%、うち『配当』収益+2.77%
米国(S&P500):+13.85%、うち『配当』収益+3.42%

※TOPIX、S&P500指数のトータル・リターン指数の1年当たりの平均収益率です。トータル・リターン指数は、通常の株価指数に『配当』収益を加味したものです。トータル・リターン指数と通常の株価指数の収益の差を『配当』収益として算出しました。以上の収益率は、2017年8月末までの、15年間の実績データに基づいて算出しました。

※『配当』は企業業績によっては払われない場合があります。

【今後の展開】『配当』は長期にわたる資産形成の味方

■株価はダイナミックに変動し、株価が上昇すれば高い投資収益を享受できます。一方、長期に渡る資産形成を着実に行うには、年々収益を積み上げることが出来る『配当』は重要な収益源といえます。収益の積み上げは長期になるほど大きくなります。『配当』が持つ「プラスの力」は資産形成の大事な味方と言えそうですね。

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