訪日外国人数(日本)【キーワード】
2014年11月26日
<今日のキーワード>
日本を訪れる外国人(訪日外国人)の数を知るには、日本政府観光局(JNTO)が発表する「訪日外客数」が参考になります。直近2カ月分は、訪日外国人数の多い重点市場の動向を基に推計値が公表され、それ以前の分は法務省統計に基づく暫定値として公表されます。確報値は翌年に公表されます。推計値では世界18カ国、暫定値では世界36カ国からの訪日外国人数が把握できます。
【ポイント1】10月の訪日外国人数は過去最高を更新
2014年通年では1,300万人前後に達する勢い
■19日、JNTOが発表した10月の「訪日外客数」は前年同月比+37.0%の127万2,000人となりました。1964年の統計開始以来、単月としての過去最高を3カ月ぶりに更新しました。主要18カ国すべてが2桁増となり、特に中国、フィリピン、韓国からの「訪日外客数」は同+50%以上の伸びとなりました。2014年1月から10月までの累計は前年同期比+27.1%の1,100万9,000人となり、2014年通年では1,300万人前後に達する勢いです。10月からの免税品目の拡大や円安などが追い風となっていると見られます。
【ポイント2】外国人観光客による百貨店売上は大幅に増加
免税品目拡大や円安が売上にも寄与
■10月から外国人観光客向けの免税品目が拡大され、今まで免税の対象外であった食品類や化粧品、薬品類などの消耗品が新たに免税対象となりました。19日に日本百貨店協会が発表した10月の外国人観光客向けの売上は前年同月比2.2倍に伸び、免税品目拡大の効果が早くも現れてきたと見られます。
■2012年12月の第2次安倍内閣発足以降、為替は円安基調となり、最近では今年10月31日に予想外の追加金融緩和が発表されたことなどにより、米ドル円レートは1米ドル118円台にまで円安が進行しています。2011年の平均米ドル円レート80円からは5割程度の円安水準になっており、外国人観光客の目には、割安な海外旅行先のひとつに映ると見られます。
【今後の展開】観光地の消費下支えや地域活性化に期待
■外国人旅行者誘致の政府目標は達成へ
アベノミクスでは、2020年に外国人旅行者数を2013年比で約2倍の2,000万人へ拡大する目標を掲げています。2014年は約260万人増加する見込みとなっており、この増加ペースが続けば、2017年にも目標が達成される勢いです。
■7-9月期の訪日外国人旅行消費額は5,505億円
観光庁が調査推計した2014年7-9月の訪日外国人旅行消費額は5,505億円でした。国内の個人消費全体の1%に満たない水準です。しかし、観光地などでは、外国人旅行者による消費の拡大や地域の活性化に寄せる期待が大きく、さらなる進展が望まれるところです。