ホームマーケット日々のマーケットレポート最近の指標から見る日本経済(2014年11月)  消費の緩やかな回復によりマイナス成長脱却へ【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

最近の指標から見る日本経済(2014年11月)  消費の緩やかな回復によりマイナス成長脱却へ【デイリー】

2014年11月20日

【ポイント1】2四半期連続のマイナス成長

内需の回復が緩慢
■7-9月期の実質GDP成長率(1次速報値)は前期比年率▲1.6%と2四半期連続のマイナスとなりました。個人消費は小幅なプラスに転じたものの、4月の消費税増税の影響からの回復が緩慢で、在庫調整の影響が大きく出た形です。

■そのほか、住宅投資、設備投資も前期比マイナスとなり、内需は全般に勢いを欠く内容です。市場では、前期比年率+2.2%(ブルームバーグ集計)と予想されていたため、予想外のマイナス成長となりました。

【ポイント2】自動車販売などは消費税増税の影響が残る

在庫調整により生産回復は小幅
■9月の小売業販売額指数は前年同月比+2.3%と3カ月連続でプラスとなりました。衣服などの生活必需品は比較的堅調でしたが、自動車販売は消費税増税の影響が残りました。

■9月の鉱工業生産指数は前年同月比+0.8%と3カ月ぶりにプラスに転じましたが小幅にとどまりました。在庫指数は前年同月比が+4.0%と5カ月連続で上昇しましたが、前月比は▲3.6%に低下しました。企業は消費回復が緩慢なことなどから、在庫の削減を進めていると見られます。

【今後の展開】消費者マインドの好転による消費の上向きに期待

■18日に安倍首相は消費税増税の1年半延期と衆議院の解散総選挙を表明しました。増税を延期することにより、財政健全化の進展が遅れる可能性はありますが、消費者マインドの好転が期待されます。

■良好な雇用環境や、賃金の上昇傾向は続いています。また、景気回復を確かなものにするために、消費喚起を中心とした景気対策を年内にまとめるとしています。これらにより消費が上向き、それに伴い生産の回復が期待されます。

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