「AI」のインパクト①(グローバル) 【キーワード】
2016年8月8日
<今日のキーワード>
「AI」は英語のArtificial Intelligence(人工知能)の略で、1950年代から世界的に研究が進められています。現在、「AI」は“ディープラーニング”と呼ばれるコンピューターに学習能力を獲得させる手法・技術によって飛躍的に進歩を遂げつつあります。コンピューターの処理能力の向上、“ビッグデータ”技術の進展とあいまって、「AI」によって我々の生活はどう変わっていくのでしょうか?2回に分けて、「AI」のインパクトを説明していきます。
【ポイント1】既に「AI」は幅広い分野で活躍中
普通の人から、熟練工・専門家レベルに躍進
■「AI」を活用したサービスはすでに幅広い分野で実用化されています。携帯電話やスマホでの音声認識、機械的な言語の翻訳機能、自動車の自動運転、音楽の作曲支援などです。これらの「AI」のサービスは、いわば普通の人ならできるレベルのものです。
■最近、「AI」はさらに進歩し、人間でいえば高い技能レベルを持つ熟練工・専門家レベルの機能を有するようになってきています。鉄鋼業では高炉の監視・操業、医療ではX線写真の画像診断支援、インターネット・ショッピングでは商品の自動推奨機能、サイバー攻撃検知システムなどが実用例としてあげられます。
【ポイント2】「AI」は新たなステージに突入

ディープラーニングで「AI」自体が進歩
■「AI」の進化の背景は、「AI」自体が、人工知能アルゴリズム“ディープラーニング(深層学習)”により、進歩していることがあげられます。
■わかりやすく言うと、これまでの「AI」は、人間が情報や条件設定などを入力する必要がありましたが、最新の「AI」は、情報を処理する過程で、人間でいう知識を自ら習得する機能を持つことができるようになってきたのです。この結果、画像認識の誤差率では人間を超える精度が出るようになったり、難しいとされていた囲碁では、プロ棋士に勝てるまでに進歩してきました。
【今後の展開】“ビッグデータ”と“クラウド”などインフラ整備で「AI」はさらに進歩
■近年、膨大なデータ=“ビッグデータ”を効率的に分析するソフトウェアが登場しました。また、コンピューターシステムでは、“クラウド”というインターネット上でコンピューターを使用することが可能となってきました。プロ棋士と「AI」の囲碁の対決では、「AI」は1,000台以上のコンピューターをインターネット上で束ねて使用したとされています。このような言わばインフラの整備を背景として、「AI」は格段に進歩するとともに、その利用が容易になり、「AI」を利用した様々な製品や技術が本格的な普及期を迎えようとしています。