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「AI」で第4次産業革命(日本) 【キーワード】

2016年7月14日

<今日のキーワード>
「AI」は英語のArtificial Intelligenceの略で、人工知能と訳されています。1950年代から世界的に研究が進められていますが、コンピュータの進歩により、囲碁やチェスなどのゲーム分野では、「AI」は人間を超えるレベルにまで発達しつつあります。日本でも安倍政権が今年5月に新たな成長戦略として、「AI」やロボットを積極的に活用した「第4次産業革命」を推進することで、社会の変革と産業構造の転換を図ろうとしています。

【ポイント1】既に「AI」は幅広い分野で活躍中

普通の人から、熟練工・専門家レベルに躍進

■「AI」を活用したサービスはすでに幅広い分野で実用化されています。携帯電話やスマホでの音声認識、機械的な言語の翻訳機能、自動車の自動運転、音楽の作曲支援などです。これらの「AI」のサービスは、いわば普通の人ならできるレベルのものです。

■最近では、「AI」はさらに進歩し、人間でいえば高い技能レベルを持つ熟練工・専門家レベルの機能を有しています。例えば鉄鋼業では高炉の監視・操業、医療ではX線写真の画像診断支援、インターネットショッピングでは商品のレコメンド機能、金融では投資アドバイスや融資の決定支援、などがあげられます。

【ポイント2】「AI」は新たなステージに突入

ディープラーニングとビッグデータがカギ

■「AI」の進化の背景は、一つには「AI」自体が、人工知能アルゴリズム「ディープラーニング(人間の神経構造を摸した学習)」の開発により進歩したことがあげられます。次に「AI」が判断を学習するための膨大なデータ(ビッグデータ)が、通信技術やインターネットにより入手可能になったことも指摘されます。

■さらには、クラウド(データを自分のPCや携帯端末ではなくインターネット上で保存や使用すること)の普及により、「AI」の計算環境が飛躍的に整備されたことも大きなポイントです。

【今後の展開】市場規模は急拡大、現在の3.8兆円から2020年には23兆円へ

■シンクタンクのEY総合研究所の予想によれば、2015年のAI活用機器・システムの国内市場規模は、卸・小売業、広告、金融などを中心に3.8兆円と試算されています。今後は技術の成熟、安全性向上、コスト削減などが進行し、運輸・製造・生活関連等の産業分野での市場形成が進行し、市場規模は2020年に23兆円強、2030年には約87兆円へと急拡大する見通しです。こうした成長を背景に、社会の変革と産業構造の転換が図られることが期待されます。

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