ホームマーケット日々のマーケットレポート【キーワード No.1,295】「露・ウクライナ株式市場」は再び連動の兆し?(東欧)/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

【キーワード No.1,295】「露・ウクライナ株式市場」は再び連動の兆し?(東欧)

2014年3月26日

1.深まるロシアと欧米諸国との対立

 クリミア自治共和国が3月16日の国民投票でロシアへの編入を選択してから、ロシアとウクライナ、欧米諸国などとの間で激しい応酬が繰り広げられています。18日にロシアはクリミア自治共和国代表らと編入条約に調印、これに対して、米国・欧州連合(EU)は追加制裁を発動しました。ウクライナ新政権は、21日にEUとの関係強化を明確に位置付ける連合協定の政治分野について調印し、親欧国との立場を内外に示しました。また、格付け会社は欧米諸国の制裁強化を背景に、S&Pが20日、フィッチ・レーティングが21日にロシアの格付け見通しをそれぞれ「ネガティブ」に引き下げました。

2.最近の動向

 ウクライナ株式市場は、2月下旬の治安混乱から2月27日の暫定政権発足までに大きく上昇しました。一方ロシア株式市場は、ソチオリンピック開催期間中は比較的落ち着いていましたが、ウクライナへの軍事介入が懸念され始めたことで軟調となり、ロシア軍のクリミア半島への軍事展開で一挙に急落しました。その後、クリミア自治共和国のロシアへの編入手続きが進む中で、ウクライナ株下落、ロシア株上昇と逆に動く局面がありました。しかし足元では、両市場とも揃って低調に推移しています。ウクライナ東部の対応に緊張感が残るほか、ロシアへの制裁による両国および周辺国経済への悪影響が懸念されていることなどが背景です。

3.今後の展開

 3月24日、日本を含む主要7カ国(G7)で緊急首脳会議が開催されました。同会議ではロシアの行動を改めて「違法」とし、G7で協調して行動していくことで一致しました。財政基盤の弱いウクライナに対しては早急な経済支援が必要とされ、日本も最大15億ドルの支援を表明しました。一方、ロシアへの制裁は、行き過ぎればエネルギーの多くをロシアに依存するEU諸国の経済にもマイナスの影響を与えかねません。G7は引き続き難しい対応を迫られ、ロシア・ウクライナの株式市場も神経質な展開が続くと思われます。

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