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財新の「PMI」(中国) 【キーワード】

2016年7月7日

<今日のキーワード>
「PMI」とは、購買担当者景気指数(Purchasing Manager's Index)の略で、景況感を判断する基準の一つとして毎月発表される経済指標です。景気判断について50を上回れば拡大、下回れば縮小を示します。中国メディアの財新は、アンケート調査から財新「PMI」を算出し、公表しています。中国国家統計局が発表する「PMI」に比べて、調査対象に占める中小企業の比率が高く、景気動向を敏感に表すとされます。

【ポイント1】財新の製造業「PMI」は48.6

16カ月連続で50割れ

■中国メディアの財新と英金融情報会社マークイットが7月1日発表した中国の6月製造業「PMI」は48.6となり、前月から0.6ポイント低下しました。景気判断の境目となる50を16カ月連続で下回り、2月(48.0)以来4カ月ぶりの低水準となりました。

■7月5日に発表された、財新の6月サービス業「PMI」は52.7となり、前月から1.5ポイント上昇しました。昨年7月以来の高水準でした。製造業の低調さと対照的に、非製造業の景況感は50超が続いています。

【ポイント2】政府版の「PMI」は50.0

4カ月連続で50台を維持

■一方、中国国家統計局が発表した6月の製造業「PMI」は50.0となり、前月から0.1ポイント低下しました。景気判断の節目となる50台乗せは4カ月連続となりました。

■6月の非製造業「PMI」は53.7と、前月から0.6ポイント上昇しました。非製造業は、3カ月ぶりの高水準でした。

【今後の展開】景況感悪化が続けば政策対応も

■財新「PMI」は、調査対象に中小企業や輸出企業が比較的多く、景気動向をより敏感に反映するといわれます。政府版の「PMI」との差は、大企業に比べて資金調達能力などが劣る製造業中小企業を中心に、景況感の悪化が続いている可能性を示唆しています。

■中国では、民間固定資産投資が5月に急減するなど、足元の景気は勢いを欠いています。今後も製造業の「PMI」の低下が継続するようであれば、中国政府が再び拡張的な政策に転じる可能性があり、景気の大きな下振れは回避される見通しです。

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