ホームマーケット日々のマーケットレポート中国の住宅市況(2016年5月) 上昇持続も、住宅価格は徐々に頭打ちへ/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

中国の住宅市況(2016年5月)
上昇持続も、住宅価格は徐々に頭打ちへ 【デイリー】

2016年6月21日

【ポイント1】60都市が価格上昇

高水準が続く

■中国国家統計局が発表した5月の主要70都市の新築住宅価格動向によると、前月より価格が上昇したのは60都市で、4月の65都市から5都市減りました。一方、下落したのは4都市で、前月比1都市減りました。横ばいが4月のゼロから6都市に増えました。4月に比べると減少したとはいえ、上昇した都市数が依然として高い水準にあり、住宅価格は上昇が続いています。

【ポイント2】2級都市に上昇波及

2極化が著しい

■国家統計局は主要70都市を3分類(1級:北京、上海、広州、深セン、2級:省都など31都市、3級:その他35都市)しています。1級の北京、上海、深センは市当局の住宅ローン規制などで価格上昇が緩やかになりましたが、あふれたマネーが周辺都市に流れ込み、アモイ、合肥などの2級地方中核都市では前月比で約5%の値上がりが続き、過熱感が出ています。一方、前月より価格が下落した4都市は、すべて3級都市でした。一部の3級地方都市では、住宅在庫の圧縮が難しい状況で、2極化が著しくなっています。

【今後の展開】全国的に住宅価格は頭打ちへ

■大都市から地方の中核都市に移ってきた住宅価格の上昇が今後どの程度の広がりをみせるかが注目されます。行き過ぎた住宅価格の上昇が長期化することは安定的な経済成長にとって望ましくなく、今後は2級地方都市でも不動産価格抑制策が強化される可能性があります。

■不動産投資の伸びは5月に鈍化に転じています。投機的な価格上昇で注目されていた深センでは住宅価格の前月比が4月の+2.3%から5月の+0.5%へ急速に鈍化しました。また、多くの地方都市では投機的な需要が主流であったとみられることから、今後は住宅価格が頭打ちになりそうです。

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