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インドの『モンスーン』、降雨量は順調【キーワード】

2017年8月17日

<今日のキーワード>
『モンスーン』とは、夏季の南西風がもたらす雨季のことです。インドでは、『モンスーン』の期間である6月から9月の降雨量が年間降雨量の70%以上を占めます。インドは農村人口が多く、農産物の生産を左右する『モンスーン』の降雨状況は、経済活動や物価に大きな影響を与えます。このため、金融市場では 『モンスーン』の降雨予報と実際の降雨量に注目が集まります。今年の降雨状況はどうなっているのでしょうか?

【ポイント1】7月の降雨量は順調

『モンスーン』の降雨量は、「平年並み」となる公算が高まる

■インド気象庁(IMD)は8月3日、最も注目される7月の降雨状況を発表しました。7月の降雨量は、過去の長期平均並みでした。その後、8月10日に発表された直近の降雨状況によれば、6月1日から8月9日までの累積ベースでも概ね長期平均並みとなりました。これまでのところ今年の降雨量は順調と言えます。

■IMDが8月8日に発表した降雨予報によれば、この先(8月~9月)も長期平均並みになる見込みです。IMDは4月以降、『モンスーン』(6月~9月)の降雨量を「平年並み」と予想しており、今年はIMDの予測通りとなる公算が高まっています。

【ポイント2】インド中央銀行が利下げ

『モンスーン』の降雨量も1要因

■インド準備銀行(中央銀行、以下RBI)は8月2日の金融政策委員会で、政策金利を0.25%引き下げ、6.00%と約7年ぶりの低水準としました。

■RBIは、利下げの理由としてインフレリスクの後退を指摘し、具体的な要因の1つに、『モンスーン』の降雨量が「平年並み」と見られることを挙げました。食品価格のインフレ抑制効果が見込まれるためです。

【今後の展開】個人消費増加による景気拡大を期待

■IMDの予測通り、『モンスーン』の降雨量が「平年並み」であれば、インドは2年連続で天候に恵まれ、順調な経済成長が期待できます。『モンスーン』に十分な雨が降ると、農産物の生産増で農村部の所得が上昇すると共に、食品価格のインフレ抑制等で消費者の実質的な購買力が高まるため、個人消費が上向くことが見込まれるためです。RBIによる利下げが行われたことも消費刺激の後押しとなりそうです。

■インド株式市場では、今年に入り主要株価指数のSENSEXが過去最高値を更新し続けてきましたが、足元では、利益確定売りや地政学リスクの高まりから上昇一服となっています。しかし、RBIが、2017/18年度の粗付加価値(GVA)成長率(インドでよく用いられる経済成長率)を7.3%と予想しているように、インド経済の高成長が見込まれるなか、株式市場は今後も堅調に推移することが期待されます。

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